第 1 学 年  歯科医学のための一般教養
前 期 計 画 表

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教科の特徴
 医療人としての高い倫理観や人間性・協調性を醸成するために、健康の意義と口腔機能、教養科目学習の意義、歯科医学研究の方向、医の倫理、本学の歴史と校風、歯科医と口腔医、歯科医学史の講義を通し、東京歯科大学での歯科医学教育の目的、歯科大学生としての在り方を考える。本教科は、医学・歯科医学を統合的に理解して全人的な歯科医療を提供するために必要な基礎的な知識の根幹となるものである。
(コンピテンシー1、2、3、6)

ナンバリング
A0521-1A

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
 歯科大学の学部(アンダーグラジュエイト)教育の最初期の段階において、卒業後歯科医師として活動すべき目標を認識し、6年間の中で勉学する内容と手順の概要を把握することによって、学生生活の指針とする。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
 教科の特徴を参照
【歯科における臨床の実際】
 1. 歯科医師の業務を説明する。
 2. 歯科における医療事故の概要と歯科医師の責任を説明する。
【歯科医学史】
 1. 古代、中世、ルネサンスから近代(フォシャール以前)の歯科医学史について述べる。
 2. フォシャールとアメリカの史家について述べる。
 3. 麻酔法や消毒法などの歯科医学に貢献した発見・発明について述べる。
 4. 日本の医学の発達と蘭学の受容について述べる。
 5. 西洋近代歯科医学の導入について述べる。
 6. 歯科医師法成立から厚生省発足までの歯科医学史について述べる。
 7. 戦後の新制度と歯科、公衆歯科衛生のあゆみについて述べる。

3.方略(LS:Learning Strategy)
 講 義
【歯科における臨床の実際】
 1. 受動的方法:講義
 2. 能動的方法:ディスカッション
 3. 媒体:事前配布資料
【歯科医学史】
 1. 受動的方法:講義
 2. 能動的方法:クリッカーによるプレ・ポストテスト
 3. 媒体:教科書、スライド、プリント

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
【歯科における臨床の実際】
 1)定期試験(総括的評価):100%
【歯科医学史】
 1)定期試験(総括的評価):100%
 講義内容の理解度を空欄補充、真偽選択、多肢選択、論述などの記述試験で評価する。
 2)プレ・ポストテスト(形成的評価)
 各回の授業において、重要なポイントを把握するため、学生自身が自己の理解度を把握するために行う。次回授業開始時にフィードバックを行う。

事前・事後学修
 準備学習内容は適宜提示する。
【歯科における臨床の実際】
事前学修:
 提示資料を通読し、授業の概要を把握する(15分)
事後学修:
 授業を復習し、重要点を理解する。
【解剖学】
事前学習:
 第2回 配信資料を読んで理解しておくこと(10分)
 第12回 配信資料を読んで理解しておくこと(10分)
事後学習:
 第2回 配信資料を読んで復習しておくこと(10分)
 第12回 配信資料を読んで復習しておくこと(10分)
【歯科医学史】
事前学修:
 第5回 教科書の1~5章(2-33ページ)を読み、各章末のまとめを理解しておくこと(15分)
 第6回 教科書の6~9章(34-57ページ)を読み、各章末のまとめを理解しておくこと(15分)
 第13回 教科書の10~14章(58-87ページ)を読み、各章末のまとめを理解しておくこと(15分)
 第14回 教科書の15~19章(88-118ページ)を読み、各章末のまとめを理解しておくこと(15分)
事後学修:
 各回、当日の授業内容とプレ・ポストテストを見直し、重要なポイントをリストアップしてノートに記載すること。
 事前学修については当日の講義開始時のプレテストで確認する。
 事後学修については次回の講義開始時のプレテストに、当日のポストテストの一部を含めて確認する。

【e-Learning】
【歯科医学史】
【e-Learning】
【e-Learning】
【e-Learning】
【e-Learning】
【e-Learning】
【e-Learning】
【e-Learning】

教科書
 図説新歯牙解剖学:わかば出版
 口腔顎顔面解剖ノート:学建書院
 頭蓋骨模型
 適宜プリントを配付
【歯科医学史】
 石井拓男・石橋肇・佐藤利英・渋谷 鑛・西巻明彦・平田創一郎 執筆:スタンダード歯科医学史、第2版第1刷、学建書院
 適宜プリントを配付

参考図書
授業中に適宜提示する

オフィスアワー
 授業終了後:教室
【歯科医学史】
 平日の放課後(17:30~18:30):本館10階社会歯科学講座
 非常勤講師:授業終了後次の授業が始まるまで、講義室内

総授業コマ数
14コマ

出席について
【歯科医学史】
 出席をとった時点から20分までを遅刻とし、それ以降は欠席とする。電車の遅延であっても同じ扱いとする。その際、遅延証明は提出すること。

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 一戸 達也 教授*, 阿部 伸一 教授*, 田口 円裕 教授
 平田創一郎 教授*, 大澤 航介 助教*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 4/14 5 A-1-3)-①
歯科医師のプロフェッショナリズムを説明できる。
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
一戸 達也
 1) 歯科医師のプロフェッショナリズムを説明できる。 
 皆さんは東京歯科大学の一員となりました。高等教育機関である大学の役割は、学生の教育と研究、そして社会貢献です。本学は医療系大学なので、これらに加えて医療の提供も重要な役割です。本学で学び、本学を卒業し、そして歯科医師国家試験に合格した皆さんは、臨床医になったとしても、研究者になったとしても、あるいは行政に進んだとしても、歯科医師として、患者さんのために、そして我が国の歯科医学と歯科医療の向上のために働かなければなりません。
 「歯科医師たる前に人間たれ」という建学の精神を踏まえた本学の目的は、学則第1条に「東京歯科大学は、歯学に関する専門の学術を教授研究すると共に、豊かな教養と高い人格を備えた人材を養成し、もつて人類の福祉に貢献することを目的とする。」と定められています。皆さんは、「人類の福祉に貢献する」という高邁な理想に向かって努力しなければなりません。
 この講義を通じて、1890年以来、130年以上にわたって受け継がれてきた東京歯科大学の精神を、本学の一員となった皆さんに説明し、本学で学ぶことの意義を理解してもらいたいと思います。
【e-Learning】講義資料
2 4/21 5 E-3-1)-1
E-3-1)-2
E-3-1)-3
 
・講義
・ディスカッション 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
阿部 伸一
1)歯の記号、コンピュータ番号について説明する。
2)歯種を鑑別する。
 
歯牙解剖総論
(教科書p1-21)
【e-Learning】
3 5/12 5 A-1-3)-④歯科医師に課せられた社会的責任と法的責任(刑事責任、民事責任、歯科医師法に基づく行政処分)を説明できる。
A-6-1)-⑦歯科医療における事故の具体例を列挙できる。
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
一戸 達也
 1) 歯科医師の業務と歯科に関連した医療事故の概要を説明できる。 
【歯科における臨床の実際】歯科医師の仕事−患者の生命を守るということ−
 一般的な患者さんの目線では、歯科医師の仕事はう蝕や歯周病の治療、義歯の製作、抜歯、歯列矯正などがその中心的な業務であると考えられています。しかし、現在の歯科医療は、これらばかりでなく、摂食・嚥下リハビリテーション、口腔インプラントや口腔がんの手術、そしてそのために必要な全身麻酔など、幅広い領域を担当しています。歯周病原菌が糖尿病や虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)など全身に影響を与えることも分かってきており、口腔ばかりでなく全身に関する知識を身につけていなければ、安全な歯科医療を提供することはできません。加えて、大変不幸なことに、年間数名程度は歯科治療がきっかけとなって患者さんが亡くなっています。
 口の中ばかりをみるのではなく、「生きている患者さんを相手にしている」という意識をしっかりと持って診療に臨むことが、安全な歯科医療のために極めて重要です。この講義では、歯科医療の現状と併せて医療事故の現状も解説し、皆さんが安全な歯科医療を提供できる歯科医師になるための動機づけとなればと考えています。
【e-Learning】講義資料
4 5/19 5 A-3-③口腔・顎顔面領域の疾患を正しく診断し、患者の立場を尊重した治療方針・治療計画を立案できる。
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
一戸 達也
 1) 歯科医師の業務の概要を説明できる。 
【歯科における臨床の実際】歯科医師の仕事−全身麻酔の話−
 我が国には医師法と歯科医師法という独立した法律があります。歯科医師は歯科医師法のもとで歯科医行為を業として行うとされており、歯科医療の中での全身麻酔は歯科医行為です。法律用語で難しい表現をしてきましたが、要するに、歯科医師は歯科の患者さんに対して全身麻酔を行うことができるし、歯科医師の重要な業務のひとつでもあるわけです。
 全身麻酔は、例えば知的障害や極度の歯科恐怖症の患者さんに対する歯科治療ももちろんですし、口腔と顔面の様々な病気、すなわち顎の変形や口腔がんなどに対する手術に対しても行われます。
 東京歯科大学歯科麻酔学講座で働いている本務教員やレジデント、大学院生や専修科生はすべて歯科医師であり、毎日のように患者さんに全身麻酔を行っています。患者さんに安全に全身麻酔を行うためには、口腔ばかりでなく全身に関する様々な知識を身につけていなければなりません。この講義では、歯科医療における全身麻酔について解説し、皆さんが広い視野と能力で活躍できる歯科医師となるための動機づけとなればと考えています。
【e-Learning】講義資料
5 5/26 5 A-1-1)①医の倫理と生命倫理の歴史経過と諸問題を概説できる。
A-1-3)①歯科医師のプロフェッショナリズムを説明できる。
A-1-3)④歯科医師に課せられた社会的責任と法的責任(刑事責任、民事責任、歯科医師法に基づく行政処分)を説明できる。
 
Googleフォームによるプレテスト
講義
Googleフォームによるポストテスト 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
大澤 航介
1 古代の歯科医学史について述べる。
2 中世の歯科医学史について述べる。
3 ルネサンスの歯科医学史について述べる。
4 ルネサンスから近代(フォシャール以前)の歯科医学史について述べる。
5 フォシャールとアメリカの歯科について述べる
スタンダード歯科医学史 1~5 
【歯科医学史】
 歯科医学とは何か、歯科医療とは何か?歯科医師をめざす者は必ずこの問にぶつかる。その時、歯科医学医療の歴史的な座標軸を理解し、自分がその座標軸上のどこに位置しているかを知ることがその問の答を見つける有力な手がかりとなる。
 我々が行っている歯科医療は、150年ほど前にアメリカから伝わったものであり、その源は古代ギリシャにある。同じ源を持つ医学が、ドイツを経由してわが国に伝わったのと経路が異なったことに、現在のわが国の歯科医学医療の特異性がある。このような歴史的事実を把握し、その経緯を社会学的に解釈する力をつけることが、明日の歯科医学医療を担う者の歯科医師としての基礎的な力となる。
【e-Learning】
6 6/2 5 A-1-1)①医の倫理と生命倫理の歴史経過と諸問題を概説できる。
A-1-3)①歯科医師のプロフェッショナリズムを説明できる。
A-1-3)④歯科医師に課せられた社会的責任と法的責任(刑事責任、民事責任、歯科医師法に基づく行政処分)を説明できる。
 
Googleフォームによるプレテスト
講義
Googleフォームによるポストテスト 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
平田創一郎
6 解剖学の歴史について述べる
7 外科学の発達について述べる
8 麻酔法と消毒法の発見について述べる
9 歯科医学に貢献した発見・発明について述べる
スタンダード歯科医学史 6~9 
【歯科医学史】
 歯科医学とは何か、歯科医療とは何か?歯科医師をめざす者は必ずこの問にぶつかる。その時、歯科医学医療の歴史的な座標軸を理解し、自分がその座標軸上のどこに位置しているかを知ることがその問の答を見つける有力な手がかりとなる。
 我々が行っている歯科医療は、150年ほど前にアメリカから伝わったものであり、その源は古代ギリシャにある。同じ源を持つ医学が、ドイツを経由してわが国に伝わったのと経路が異なったことに、現在のわが国の歯科医学医療の特異性がある。このような歴史的事実を把握し、その経緯を社会学的に解釈する力をつけることが、明日の歯科医学医療を担う者の歯科医師としての基礎的な力となる。

【e-Learning】
7 6/9 5 B-2-2)-2
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
田口 円裕
医療保険制度における受診から支払いまでについて説明できる。
公的医療保険の特徴について説明できる。
 
国民皆保険、保険者、被保険者、保険医療機関、審査支払機関、療養の給付
【e-Learning】
8 6/16 5 B-2-2)-2
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
田口 円裕
国民健康保険の制度について説明できる。 
国民健康保険の保険者、加入者の特徴、国民健康保険組合
【e-Learning】
9 6/23 5 B-2-2)-2
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
田口 円裕
後期高齢者医療と前期高齢者医療の違いについて説明できる。
国民医療費について概説できる。
 
後期高齢者支援金、前期高齢者納付金
【e-Learning】
10 6/30 5 B-2-2)-2
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
田口 円裕
医療保険制度について概説できる。 
演習問題により過去4回分の講義を復習し知識を定着させる。
【e-Learning】
11 7/7 5 B-2-2)-2
 
講義  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
田口 円裕
医療保険者の種類について説明できる。
 
後期高齢者医療制度、被用者保険
【e-Learning】
12 7/14 5 E-2-1)-③
 
・講義
・ディスカッション 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
阿部 伸一
咀嚼筋について説明する。 
咀嚼のメカニズムを理解するとともに、4つの咀嚼筋の起始・停止・機能を実習形式で理解する。
【e-Learning】
13 8/25 5 PR-01
歯科医師としての職責を理解し、倫理観、責任感、品格、思いやりを持って行動できる。
PR-04
自己の知識、技術、態度を恒常的に評価し、自己主導型学習を行い、自己評価能力を高めながら、常に自己の向上を図ることができる。
RE-01
自らの行動を論理的、批判的に振り返り、生涯に向けた自己研鑽に取り組むことができる。
SO-01
社会保障(社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生)を理解している。
 
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講義
Googleフォームによるポストテスト 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
平田創一郎
10 近世の咬合の歴史について述べる。
11 江戸時代までの日本の医療制度について述べる。
12 日本の医学の発達と蘭学の受容について述べる。
13 江戸時代の歯科医療文化について述べる。
14 日本固有の義歯と口腔ケアについて述べる。
スタンダード歯科医学史 10~14 
【歯科医学史】
 歯科医学とは何か、歯科医療とは何か?歯科医師をめざす者は必ずこの問にぶつかる。その時、歯科医学医療の歴史的な座標軸を理解し、自分がその座標軸上のどこに位置しているかを知ることがその問の答を見つける有力な手がかりとなる。
 我々が行っている歯科医療は、150年ほど前にアメリカから伝わったものであり、その源は古代ギリシャにある。同じ源を持つ医学が、ドイツを経由してわが国に伝わったのと経路が異なったことに、現在のわが国の歯科医学医療の特異性がある。このような歴史的事実を把握し、その経緯を社会学的に解釈する力をつけることが、明日の歯科医学医療を担う者の歯科医師としての基礎的な力となる。
【e-Learning】
14 9/1 5 PR-01
歯科医師としての職責を理解し、倫理観、責任感、品格、思いやりを持って行動できる。
PR-04
自己の知識、技術、態度を恒常的に評価し、自己主導型学習を行い、自己評価能力を高めながら、常に自己の向上を図ることができる。
RE-01
自らの行動を論理的、批判的に振り返り、生涯に向けた自己研鑽に取り組むことができる。
SO-01
社会保障(社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生)を理解している。
 
Googleフォームによるプレテスト
講義
Googleフォームによるポストテスト 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
平田創一郎
15 西洋近代歯科医学の導入について述べる。
16 歯科医師法成立から厚生省発足までについて述べる。
17 戦後の新制度と歯科について述べる。
18 戦後の歯科医学教育にかかわる制度の変遷について述べる。
19 公衆歯科衛生のあゆみについて述べる。
スタンダード歯科医学史 15~19 
【歯科医学史】
 歯科医学とは何か、歯科医療とは何か?歯科医師をめざす者は必ずこの問にぶつかる。その時、歯科医学医療の歴史的な座標軸を理解し、自分がその座標軸上のどこに位置しているかを知ることがその問の答を見つける有力な手がかりとなる。
 我々が行っている歯科医療は、150年ほど前にアメリカから伝わったものであり、その源は古代ギリシャにある。同じ源を持つ医学が、ドイツを経由してわが国に伝わったのと経路が異なったことに、現在のわが国の歯科医学医療の特異性がある。このような歴史的事実を把握し、その経緯を社会学的に解釈する力をつけることが、明日の歯科医学医療を担う者の歯科医師としての基礎的な力となる。
【e-Learning】

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