第 1 学 年  人類学
通 年 計 画 表

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教科の特徴
人類学は、人を対象として「人間とは何か」という問題をあらゆる側面から解明しようとする学問分野であり、その専門領域は、大きく自然人類学(PhysicalAnthropology)と文化人類学(CulturalAnthropology)に分けられます。講義では、前期に人類学の基本となる骨格系と筋系、すなわち運動器系について理解し、後期でその知識をもとに、自然人類学の時間軸における人類の起源と進化、空間軸における現代の人類(霊長類を含む)について学ぶことになります。
人類進化の各段階における化石人骨の特徴、なかんずく顎や歯の特徴の変化を知ることは、現代人の、さらには近未来の人の頭蓋顔面領域を考えることを可能にし、特に口腔領域を扱う歯科医師にとっては、非常に意義深いことです。
また、人間は文化をもっており、その違いが地球上の民族の違いになっています。つまり、感情や思考、行動の様式が、民族によって異なっているのです。従って、医師や歯科医師が、患者の文化的背景を知って対応することは、治療の方針をたてるうえにおいても、またその効果面においても重要であるといえます。このように、解剖学の一つの分野として位置づけられている、人間を対象とする人類学が、医療の分野でもその果たす役割は極めて大きいと考えられます。従って、講義はこの点を考慮して行います。
学習内容は、解剖学的側面から人体を構成する骨と筋、そして人類学側面から「人類、人間、ヒトとは何か?」ということから始まり、人体を知る上で必要な骨学ならびに骨から得られる情報、霊長類および人類の特徴、人類進化の理論、猿人以前の段階から新人に至る人類進化過程での形質や文化面での変化、さらに日本人の起源と進化、日本人の文化的特徴、さらには法人類学といった分野などです。

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
ヒトとは何か、如何にあるべきか、自分が将来どのように生きるべきかを考えるために、人体を構成する運動器系や人類が歩んできた道のりとその間の形態的変化、そして人類が生み出した文化とその変遷、加えて現在地球上に生存している人類の特徴などを理解する。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
1)人体を構成する運動器系について説明できる。
2)骨から得られる情報を列挙する。
3)生物学的な分類におけるサルとヒトの位置を述べる。
4)ヒトの特徴を説明する。
5)ヒト化(ホミニゼーション)を説明する。
6)人類の起源から現在に至る身体的変化ならびに文化的変化を時系列で説明する。
7)日本人の成り立ちを述べる。
8)日本人の文化的特徴を述べる。
9)歯科領域の形質における時代的変化を説明する。
10)人類の将来について述べる。
11)人類学の法的分野への役割を説明する。

3.方略(LS:Learning Strategy)
1)講義
2)小テスト
3)実習:骨資料やレプリカを用いた討論
4)媒体:教科書、スライド、ビデオ

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
1)定期試験で、行動目標に掲げた内容の理解度について筆記試験を行う。
2)小テストやレポート、討論への積極的な参加も評価の対象とする。

事前・事後学修
事前に講義予定内容について教科書を読み、A4のレポート用紙にまとめる。まとめたものについては、講義の前に提出する。
事後において、前期は講義(実習を含む)に用いた資料を完成させ、次の講義の前に提出する。

教科書
片山一道 他:人間史をたどる-自然人類学入門-、朝倉書店
埴原和郎 著:歯と人類学の話、医歯薬出版


参考図書
尾本恵市 著:分子人類学と日本人の起源、裳華房
片山一道 著:古人骨は語る-骨考古学ことはじめ、同朋舎出版
その他、参考書は講義時間内にも紹介するので、各自の興味に応じて読むことを勧める。
また、図書やビデオは人類学資料室にもあり、随時希望に応じて貸し出す。

オフィスアワー
毎週 火曜日 16:10~17:30:教授室

総授業コマ数
27コマ

出席について
実習講義への出席は、提出されるプロダクトも併せて評価する。出席の状況は、最終判定において加味する。

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 橋本 正次 教授, 中村 安孝 講師*, 石川 昂 講師*
 笠原 典夫 助教*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 5/8 1 E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
 
講義・講義実習  さいかち・第1講義室  橋本 正次
1)医学・歯学における人類学の意義を説明できる。
2)形質人類学における骨学の重要性を説明できる。
3)比較解剖学的に見た人類の特徴を説明できる。
4)人体各部の名称と構成する骨の名称を述べることができる。
 
1.人類学総論
  1)人類学の歴史
  2)研究領域
   (1)形質人類学
   (2)文化人類学
   (3)社会人類学
2. 解剖学総論
3. 人体を構成する骨の名称と個数

2 5/15 1 E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
 
講義・講義実習  さいかち・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)頭蓋骨を構成する骨の名称と個数を説明できる。
2)頭蓋骨の構造と各骨の位置関係を説明できる。
 
1)脳頭蓋骨を構成する骨の名称と形態
2)顔面頭蓋骨を構成する骨の名称と形態
3)頭蓋骨上の構造物と構成する骨
3 5/22 1 C-2-3)-(5) 神経系
 
講義・講義実習  さいかち・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)神経系の構成を説明できる。
2)脳及び脳神経と頭蓋骨の位置関係が説明できる。
 
1)神経の分類と脳・脊髄神経の名称
2)頭蓋底における神経の通る部位
4 5/29 1 E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
 
講義・講義実習  さいかち・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)篩骨の位置及び各部の名称を説明できる。
2)蝶形骨の位置及び各部の名称を説明できる。 
1)篩骨
 (1)頭蓋骨における位置と各部の名称
 (2)神経等の通る部位の名称
2)蝶形骨
 (1)頭蓋骨における位置と各部の名称
 (2)神経等の通る部位の名称
 (3)筋の付着部位

5 6/5 1 E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
 
講義・講義実習  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)側頭骨の位置及び各部の名称を説明できる。
2)後頭骨の位置及び各部の名称を説明できる。 
1)側頭骨
 (1)頭蓋骨における位置と各部の名称
 (2)神経等の通る部位の名称
 (3)筋の付着部位
2)後頭骨
 (1)頭蓋骨における位置と各部の名称
 (2)神経等の通る部位の名称
 (3)筋の付着部位

6 6/12 1 E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
 
講義・実習講義  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)前頭骨、頭頂骨の位置及び各部の名称を説明できる。
2)涙骨、鼻骨、鋤骨、下鼻甲介、頬骨、口蓋骨の位置及び各部の名称を説明できる。
3)眼窩、鼻腔、翼口蓋窩を構成する骨とそれぞれの骨の各部の名称を説明できる。 
1)前頭骨、頭頂骨
 (1)各骨の位置及び各部の名称等
2)涙骨、鼻骨、鋤骨、下鼻甲介、頬骨、口蓋骨
 (1)各骨の位置及び各部の名称等
3)眼窩、鼻腔、翼口蓋窩
 (1)各構造物の位置と構成する骨
7 6/19 1 E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
E-2-1)-5
* 顎関節の構造と機能を説明できる。
 
講義・講義実習  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)上顎骨の位置及び各部の名称を説明できる。
2)下顎骨の位置及び各部の名称を説明できる 
1)上顎骨
 (1)頭蓋骨における位置と各部の名称
 (2)神経等の通る部位の名称
 (3)筋の付着部位
2)下顎骨
 (1)頭蓋骨における位置と各部の名称
 (2)神経等の通る部位の名称
 (3)筋の付着部位

8 6/26 1 C-2-3)-(2) 運動器系
 
講義・実習講義  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)骨の連結について説明できる。
2)関節の構造を説明できる。
3)関節の運動を説明できる。 
1)不動性の連結
2)可動性の連結
3)関節の構造
4)関節の運動

9 7/3 1 E-2-1) 頭頸部の基本構造と機能
 
講義・講義実習  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)頭部の筋について説明できる。
2)頸部の筋について説明できる。 
1)頭部の筋
 (1)表情筋
 (2)咀嚼筋
2)頸部の筋
 (1)浅頸筋
 (2)前頸筋
 (3)側頸筋
 (4)後頸筋

10 7/10 1 C-2-3)-(2) 運動器系
 
講義・実習講義   南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)脊柱の構成を説明できる。
2)椎骨の基本形態を説明できる。
 
体幹の骨 その1
1)脊柱を構成する骨とその基本形態
2)頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎の構造と各部の名称

11 7/17 1 C-2-3)-(2) 運動器系
 
講義・講義実習  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)肋骨や胸骨の形態と各部の名称を説明できる。
2)胸郭を構成する骨を説明できる。
3)骨盤を構成する骨を説明できる。 
体幹の骨 その2
1)肋骨や胸骨の形態と各部の名称
2)胸郭を構成する骨とその基本形態

12 7/31 1 C-2-3)-(2) 運動器系
 
講義・講義実習  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)上肢の骨の名称を述べることができる。
2)上肢の各骨の各部の名称を述べることができる。
3)上肢の骨に関連する主な筋について説明できる。 
上肢の骨
1)上肢帯
 (1)鎖骨と主な筋
 (2)肩甲骨と主な筋
2)自由上肢
 (1)上腕の骨と主な筋
 (2)前腕の骨と主な筋
 (3)手の骨と主な筋

13 9/4 1 C-2-3)-(2) 運動器系
 
講義・講義実習  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)下肢の骨の名称を述べることができる。
2)下肢の各骨の各部の名称を述べることができる。
3)下肢の骨に関連する主な筋について説明できる。


 
下肢の骨
1)下肢帯
 (1)寛骨
2)自由下肢
 (1)大腿の骨と主な筋
 (2)下腿の骨と主な筋
 (3)足の骨と主な筋
14 9/11 1 C-2-3)-(2) 運動器系
 
筆記試験  南棟・2階  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)全身の骨の名称、及び各骨の部位の名称を述べることができる。
2)骨の連結について説明できる。
3)脳神経、脊髄神経と骨との関係を説明できる。
4)胸郭や骨盤を構成する骨を説明できる。 
1)定期試験前の理解度を問う試験実施
15 10/7 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
1)人類学の目的・人類学における時間の重要性を概説する。
 
1.人類学総論
  1)人類学の歴史
  2)研究領域
   (1)形質人類学
   (2)文化人類学
   (3)社会人類学
  3)年代学
   (1)地質年代
     (a)年代区分
     (b)年代測定法
   (2)絶対年代
     (a)年代測定法
16 10/14 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
2)人骨の観察方法とそこから得られる情報を概説する。
 
2.骨学
  1)古人骨を読む
   (1)古人骨から得られる情報と考古学的意義
     (a)年齢
     (b)性別
     (c)人種
     (d)その他
   (2)骨計測
     (a)頭蓋顔面特徴
     (b)身長推定
17 10/21 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
3)分類学と霊長類の分類について概説する。
 
3.霊長類学
  1)分類学
   (1)リンネの分類
     (a)二名法(学名)
     (b)霊長類の分類学的位置
  2)霊長類学
 (1)分布、特徴、進化
     (a)原猿類
     (b)真猿類
18 10/28 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
4)人類の特徴を概説する。
 
4.ヒトの特徴
  1)直立姿勢と二足歩行に由来する特徴
   (1)身体形質面
   (2)文化面
   (3)社会面
  2)四足動物との比較
19 11/4 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
5)人類進化の理論を概説する。
 
5.人類進化理論
  1)ヒト化(ホミニゼーション)
   (1)ダーウィンの進化理論
   (2)狩猟仮説
   (3)採集仮説
   (4)屍体ひろい仮説
   (5)種子食者仮説
   (6)K戦略仮説
   (7)その他
20 11/11 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
6)猿人以前のヒトと猿人の特徴を概説する。
 
6.人類の起源と進化(1)
  1)猿人以前のヒト
  2)猿人の特徴
   (1)アファール猿人
   (2)アフリカーヌス猿人
   (3)ロブスタス猿人
21 11/18 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
7)原人の特徴を概説する。
 
7.人類の起源と進化(2)
  1)猿人から原人へ
   (1)ホモ・ハビリス
  2)原人の特徴
   (1)アジアの原人
     (a)ジャワ原人
     (b)北京原人
   (2)ヨーロッパの原人
   (3)アフリカの原人
22 11/25 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
8)旧人の特徴を概説する。
 
8.人類の起源と進化(3)
  1)原人から旧人へ
  2)旧人の特徴
   (1)古典的ネアンデルタール人
   (2)典型的ネアンデルタール人
23 12/2 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
9)新人の特徴を概説する。
 
9.人類の起源と進化(4)
  1)旧人から新人へ
  2)新人の特徴
   (1)クロマニヨン人
24 12/9 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
10)日本人の成り立ちおよび文化的特徴を概説する。
 
10.日本人
  1)日本人の起源
   (1)人種交代説
   (2)混血説
   (3)移行説
   (4)渡来説
  2)日本人の移り変わり
   (1)旧石器時代
   (2)縄文・弥生・古墳時代
   (3)鎌倉・室町時代
   (4)江戸時代以降
  3)日本人の文化
   (1)感情・思考・行動様式
25 12/16 5   講義
ビデオ鑑賞 
さいかち・第1講義室  橋本 正次
11)人類の世界各地への拡散に関するモデルを説明するとともに、将来を考える。 
11.人類の過去から未来へ
  1)多地域進化説
  2)単一発生説
  3)人類のこれから
26 1/13 5   講義  さいかち・第1講義室  橋本 正次
12)人類学と遺伝学および歯科学との関わりを概説する。
 
12.人類遺伝学・集団遺伝学・歯科人類学
  1)遺伝様式と遺伝子頻度
  2)集団遺伝学からみた人類の移動
   (1)遺伝子頻度に影響を及ぼす要因
   (2)遺伝子頻度の比較
  3)歯科人類学
   (1)歯科領域の形質と進化
  4)人種とは?
27 1/20 5   講義
ビデオ鑑賞 
さいかち・第1講義室  橋本 正次
13)人類の将来を証拠に基づいて予測できる。 
13.人類の過去から現在をまとめ、将来を予測する。
  1)形質人類学的見地からの将来展望
  2)分子遺伝学的見地からの将来展望
  3) 文化(宗教を含む)見地からの将来展望

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