↓授業日程表を表示 教科の特徴 こころとは何でしょう。こころはあると感じたことはあっても、手にとって見たことはあるでしょうか。 目で見たり、手でふれたりできないこころについての学問は、こころの豊かさが求められる現代において、ますます耳目を集める傍らで、その実際はよく知られていないという実情もあります。 心理学は、人が生きる上で切り離すことのできないこころのしくみと働きを実証科学的に解き明かすとともに、その成果を、ひとりひとりがこころ豊かに健やかに生きるため、また、よりよいコミュニティや社会をつくるために活用することを目的とする学問です。 その領域は、とても幅広く多岐にわたるもので、そのいずれも、人それぞれが、社会が、少しでも生きやすくなることに寄与するものです。 心理学を学び、人のこころを広く深く理解してゆくことは、人として、医療・歯科学の専門家として全人的歯科保健医療を提供する、ひいては、社会に貢献できる人材となるために、大切なことと言えます。 さまざまな領域の一部をご紹介しましょう。 知覚、認知、記憶、学習、モチベーション、情動についての心理学における、人のこころのしくみや働きについての基礎知識は、こころの不思議を知るとともに、人それぞれがもつ力をうまく活かしたり伸ばしたりする手がかりになるでしょう。こころの発達、パーソナリティ、対人関係やコミュニケーション、コミュニティについての心理学は、自己と他者理解、日常の対人関係において、また、歯科保健医療の専門家として、患者さんやそのご家族はもちろんのこと、チーム医療・多職種協働、地域社会の場において、必要不可欠な信頼関係の構築と円滑なコミュニ ケーションをむすぶために重要です。 臨床心理学領域における見識は、こころとからだの健康の保持・増進、疾患・しょうがいの予防・回復のために活用されます。近年、歯科口腔領域においても、口腔内環境や歯科疾患の成り立ちにおける心身相互作用や心理社会的因子について高い関心が集まっています。個々のこころと取りまく環境への適切な理解と、歯痛などの根っこにあるこころの痛みへの熟慮と配慮は、人を診る医療、意義深い医療提供につながっていくものです。 心理学の基礎がメインになりますが、この教科の学修をとおして、いまここで、そして将来、多面的・多角的な、また柔軟、かつ、深いまなざしでこころを見られるようになることを目指し、こころをもってこころを思い、自他と適切に関わり、適応的に行動するための素地を培っていきましょう。 (コンピテンシー 2、3、4、5、6、7、8) ナンバリング A0101-1C 1.一般目標(GIO:General Instructional Objective) 人のこころのしくみと働きを科学的に解明する、学問としての心理学を学ぶ中で、全人的医療においてよりよく機能するために、心理学の基礎知識を習得し、一般的な心のしくみや作用を理解した上で、人間の個別性を理解する豊かな視点を養います。 自ら考え、感じ、こころを豊かに働かせて、目に見えない、手でふれることのできないこころ、複雑でむずかしい、むずかしいからおもしろいこころを丁寧に見ていく態度を身につけていきましょう。 また、青年期という自分らしさ(identity)を形成する過程にある皆さんご自身の心身の理解・成長につなげていただくことも目標とします。 授業でとりあげるテーマに、科学からの客観性、個々人の思考と豊かな感性、洞察力をもって、積極的に取り組む態度で臨んでいただくことを期待します。 2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives) ①こころとは何か、心理学とは何かを知り、人の心を科学的に解明することの意義、歯科医師になるために心理学を学ぶ意義について理解し、適切に説明できる。(20%) ②心のしくみや働きについて理解し、説明できる。(20%) ③心理学専門用語を正しく理解し、用語を使って事象を説明することができる。(20%) ④心の発達や臨床(心のしょうがいと支援)について適切に理解し、説明できる。(20%) ⑤心への多角的・多面的かつ奥深い視点を養い、自分と他者のこころを見つめ、理解に努め、自身のこころの成長につなげ、豊かな対人関係、社会適応に生かしていかれる。(20%) 3.方略(LS:Learning Strategy) 1)受動的方法:講義 2)能動的方法:積極的授業参加・ディスカッション・リアクションペーパー・プレテストとポストテスト・体験学習 3)媒体:プリント、スライド、コンピューター画像、参考図書 4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価) 1)定期試験(総括的評価):行動目標にあげた内容の理解度について、空欄補充、真偽選択、多肢選択式、論述などの記述試験にて評価する。(70%) 2)平常点評価(形成的評価):授業の出席状況と受講態度、積極的授業参加(授業内容に関する質問・自身の考察などを含む)、授業テーマに関連する課題へのとりくみ(リアクションペーパーやミニテストなど)、講義ノートチェック。講義時間内やオフィスアワーなどにてフィードバック・評価をおこなう。(30%) 事前・事後学修 事前学修: 事前に配布されるプリントに目を通し、概容を把握する。心理学理論や専門用語などをチェックしておく。毎回、プリントやノートに目を通し、要点を把握する。問題意識や自分なりの考えをもち、また、感性を豊かに働かせて自分なりのイメージや気づきを記して、講義に臨む。(10分) 第1~12回:配布プリントに目をとおし、重要事項や心理学用語をおさえ、関心事項については主体的に探索したり、自分なりの問いとこたえを用意して、講義に臨む。(10分) 第13回:前期から1年間、講義で扱った心理学の基礎すべてをふりかえり、幅広く奥深く理解をしているか、専門用語を適切に使えるか、自他のこころに意識をむけているかを精査し、質問や問題に答えられるようにする。(10分) 事後学修: 当日の講義内容を振り返り、重要事項、心理学専門用語について、プリントをもとにノートを作成し、理解・考察を深める。日々であう心理学の事象に気づき、探索し、記録を残す。自他のこころ多角的・多面的にとらえる習慣を積み重ねる。(10分) 第1~12回:当日の講義内容をふりかえり、配布プリント・ノートに、重要事項や専門用語・理論、その考察などを整理する。毎回、プリント・ノートをくりかえし見なおして、自身の理解度を確認し、不足部分を補う。(10 分) 第13回:前期から1年間、講義で扱った心理学の基礎を十分におさえている。日々の中で人のこころにまつわる事象に意識的に目をむけ、多角的・多面的にとらえ、深く考えている。(10分) 事前学修・事後学修の評価: 第1~12回: 事前学修:さまざまなこころのテーマについて、事前学修による知識や考察を取り入れ、また、感性、想像力を働かせてディスカッションする。 事後学修:ノートに講義内容がわかりやすく整理されているのみならず、身近なこころの世界に気づき、日常の体験と結びつけ、より一層理解・考察を深めている。講義中やリアクションペーパーなどにおける質問や課題について、さまざまな視点から、また、深く掘りさげて考察をすすめている。 第13回: 事前学修:積み重なった知識・理論や自分なりの意見・考察を発言する。 事後学修:心理学の基礎知識・理論が教養として身についており、日常の生活や学修全般に活かせる。日々であう心理学的事象への感性が養われ、こころを多角的・多面的にとらえようと意識するとともに、考察を深めている。 【e-Learning】
教科書 テーマごとにプリントを配布します。 随時、参考図書、WEB siteなどをご紹介します。 参考図書 鹿取 廣人ら著編『心理学 第5版補訂版』(東京大学出版会) 山村 豊著『心理学[カレッジ版]』(医学書院) 長谷川 寿一ほか著『はじめて出会う心理学 第3版』(有斐閣) 斉藤 勇 編 『図説 心理学入門 第2版』(誠信書房) 詫摩 武俊 編 『心理学 改訂版』(新曜社) 無藤 隆ら著『心理学 新版』(有斐閣) オフィスアワー 授業前後(特にお昼休み)のお時間帯、講義室や教員控室などにて。 総授業コマ数 13コマ 出席について 出席は講義開始から5分以内にとる。また講義開始後10 分までに入室した場合は遅刻とし、それ以降は原則欠席とする。公共交通機関の遅延などによる場合には、終了予定時刻から20分以上前に早退した場合には、欠席扱いとする。遅刻・早退・欠席回数に応じた点数を減点する。遅刻・早退・欠席の理由を口頭あるいは文書にて提出のこと。
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