第 2 学 年  生命の分子的基盤(生物)
前 期 計 画 表

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教科の特徴
わたしたちのからだはさまざまな細胞から構成される組織、臓器、器官系によりなりたち、それらが外界からの刺激をうけながら恒常性を維持している。近年、ヒトのゲノムの解析もされ遺伝子診断・治療、再生医学など臨床歯科医学でも避けられない問題となってきている。生命の分子的基盤では同時期に開講される生理学、生化学、生体科学などと連携をとりながら、遺伝子、分子、細胞のレベルからこれら生命現象を理解し、歯科臨床医学のための基本的知識の根幹となる。(コンピテンシー 7)

ナンバリング
F3171-2A

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
分子、遺伝子の構造と機能をもとに生命現象の基となる細胞の構造と機能、細胞と細胞のコミュニケーションによる恒常性の維持、細胞の増殖と死の機構、免疫機構の基本的事項について理解する。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
1)細胞の基本的構造とその機能について説明できる。(5%)
2)細胞を構成する基本的物質の構造と機能について説明できる。(10%)
3)細胞と細胞、細胞と細胞外マトリックスとの物質と情報の伝達機構について説明できる。(10%)
4)リガンドと受容体の関係を説明できる。(10%)
5)筋の収縮、弛緩を説明できる。(10%)
6)生体における2価陽イオンの作用を概説できる。(10%)
7)生体防御、免疫の基本的機構について説明できる。(20%)
8)バイオテクノロジーの基礎的事項を説明できる。(10%)
9)免疫異常が関連する病変について説明できる。(5%)
10)免疫組織化学染色法と免疫蛍光染色法の原理と手技を説明できる。(10%)

3.方略(LS:Learning Strategy)
1)PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション
2)実習 1回
 注:生命の分子的基盤(生物)の実習については、実習自然科学(Ⅱ) の15回目(9月10日/火曜日)に行う。 

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
1)定期試験(総括的評価):90%  講義内容の理解度を多肢選択試験と記述試験で評価する。
2)実習態度および実習課題レポート(総括的評価):10%

事前・事後学修
事前学修:各回の教科書「基礎から学ぶ 生物学・細胞生物学 第4版」と参考図書の指定されたところに目を通しておくこと。(各15分)
事後学修:教科書と参考図書を参考にして、配付された資料を用いてまとめること。(各10分)
事前学修については当日のプレポストで確認し、事後学修については次回の講義前のプレポストと合わせてポストテストを行う。

【e-Learning】

教科書
基礎から学ぶ 生物学・細胞生物学 第4版 著/和田 勝 羊土社(2020)

参考図書
口腔組織・発生学 脇田稔他編 第2版 医歯薬出版(2015)
組織学・口腔組織学・第4版、磯川桂太郎他 わかば出版(2014)

オフィスアワー
講義終了後、放課後(16:00~19:00)(ただし原則として在室日にはいつでも可能)さいかち坂校舎、本館および新館担当講座

総授業コマ数
15コマ

出席について
出席は講義開始後10分以内に取る。また講義開始30分後までに入室した場合は遅刻とし、それ以降は欠席とするが講義には参加すること。公共交通機関の遅延が15分を超える場合は出欠席について考慮するが、30分以内の場合は考慮しない。

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 佐藤 正樹 准教授, 橋本 貞充 客員教授*, 国分 栄仁 講師*
 佐々木 穂高 教授*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 4/15 4 A-1-4-1
真核細胞の全体像と細胞膜、核、細胞小器官及び細胞骨格の構造と機能を理解している。
A-1-4-2
細胞内外間の物質の移動のしくみを理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
橋本 貞充
1)細胞小器官の基本構造と機能について説明できる。
2)物質の合成と分泌を概説できる。
3)細胞の分泌と吸収機構を説明できる。  
1)細胞小器官と小胞輸送
2)エンドサイトーシスとファゴサイトーシス
3)分泌・エクソサイトーシス
(教科書p63~75)
【e-Learning】
2 4/22 4 A-1-4-1
真核細胞の全体像と細胞膜、核、細胞小器官及び細胞骨格の構造と機能を理解している。
A-1-5-1
細胞接着の機構を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
橋本 貞充
1)細胞骨格の種類と機能を説明できる。
2)細胞間結合装置の構造と機能を説明できる。 
細胞骨格
1)マイクロフィラメント
2)中間径フィラメ
3)微小管
細胞間結合装置
1)デスモゾーム
2)ヘミデスモゾーム
3)アドヘレンス結合
4)タイト結合
5)ギャップ結合
(教科書p131~139、147~152)
【e-Learning】
3 5/13 4 A-1-5-1
細胞接着の機構を理解している。
A-3-1-1-3
腺の構造、分布及び分泌機構を理解している。
A-3-4-7
歯周組織の構造と機能を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション
 
さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
橋本 貞充
1)上皮細胞の細胞接着に関わる分子を説明できる。
2)唾液腺と口腔粘膜上皮の細胞間結合装置を説明できる。
3)歯と歯周組織の結合・接着様式を説明できる。 
1)上皮細胞の細胞接着
2)歯と歯周組織の結合・接着様式
3)唾液腺と口腔粘膜の細胞間結合装置
(教科書p131~139、147~152。参考図書「組織学・口腔組織学」p168~178、264~282、295~301)
【e-Learning】
4 5/20 4 A-3-1-5-8
シナプス伝達の機序と神経伝達物質を理解している。
A-3-1-5-5
反射、半自動運動及び随意運動の発現と制御機構を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
佐藤 正樹
1)細胞間の情報連絡機構について説明できる。
2)シナプス伝達について説明できる。
3)EPSP(興奮性シナプス後電位)とIPSP(抑制性シナプス後電位)
 
1)細胞間の情報連絡機構
2)シナプス伝達
3)EPSPとIPSP
(教科書p271~276)
【e-Learning】
5 5/27 4 A-1-5
細胞の情報伝達機構
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
佐藤 正樹
1)リガンドと受容体の関係を説明できる。
2)細胞膜受容体を分類できる。
3)イオンチャネル内蔵型受容体を概説できる。
4)Gタンパク質共役型受容体の細胞内経路を説明できる。
 
受容体
1)膜受容体
①イオンチャネル型受容体
②Gタンパク質共役型受容体(GPCR)
③チロシンキナーゼ連鎖型受容体
2)細胞内(核内)受容体
3)Gタンパク質共役型受容体のエフェクター
①ホスホリパーゼC(PLC)
②アデニル酸シクラーゼ(AC)
(教科書p152~160)   
【e-Learning】
6 6/3 4 RE-02
研究の基礎となる科学的理論や方法論を身に付ける。
RE-04
新しい情報を生み出すための意欲、基礎的素養と研究上求められる倫理的対応を身に付ける。
RE-06
科学的考察に基づいて、研究発表を行うことができる。
LL-05
同級生や後輩、同僚、チーム構成員に対して助言、指導ができる。
 
筆記および多肢選択試験(MCQ)  本館・13階 第1講義室
 
佐藤 正樹
橋本 貞充
脊椎動物の体の構造を説明できる。
ヒトと実験動物の体の仕組みの違いを説明できる。
歯や口腔の上皮について説明できる。
薬剤に対する生体反応を説明できる。
実験動物の安楽死について説明できる。
実験器具の名称や使い方を説明できる。
擦過細胞診(パパニコロー染色を含む)を説明できる。
 
生物学実習試験
(実習自然科学Ⅱ・生物実習)
【e-Learning】
7 6/10 4 A-3-1-5-5
反射、半自動運動及び随意運動の発現と制御機構を理解している。
A-3-1-3-2
筋細胞の構造と筋収縮の機序を理解している。
A-3-1-5-4
中枢神経系(高次脳、脳幹、脊髄)の構造と機能(運動機能、感覚機能、高次神経機能、自律機能)及び脳血管の分布を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
佐藤 正樹
1)骨格筋の収縮、弛緩を説明できる(筋収縮連関)。
2)脊髄反射(屈曲反射と伸張反射)の反射弓を説明できる。 
筋収縮連関
1)神経筋接合部と筋収縮
脊髄反射
1)屈曲反射(多シナプス反射)
2)伸張反射(単シナプス反射)
(教科書p136~139;生物図録p149)
【e-Learning】
8 6/17 4 A-1-2-6
ビタミン、ミネラルの種類と作用を理解している。
A-3-1-2-5
硬組織の成分と石灰化の機序を理解している。
A-3-1-5-8
シナプス伝達の機序と神経伝達物質を理解している。
A-3-1-4-8
止血、血液凝固及び線溶の機序を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
佐藤 正樹
1)生体におけるカルシウムイオンの役割を列挙、概説できる。
2)カルシウムイオンの調節機構を概説できる。 
カルシウムイオンの役割
1)硬組織の形成
2)神経伝達
3)筋収縮
4)セカンドメッセンジャー
5)血液凝固因子 など
(この講義以前に配布した資料全般)
【e-Learning】
9 6/24 4 A-4-2-1
自然免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-2
獲得免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-3
抗原提示機能を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
国分 栄仁
1) 免疫の概要について説明できる。 
1) 免疫の概念
2) 免疫に関与する臓器・細胞・分子について
(教科書p213~241)
【e-Learning】
10 7/1 4 A-4-2-1
自然免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-2
獲得免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-3
抗原提示機能を理解している。
A-4-2-4
粘膜免疫を理解している。
A-4-2-5
免疫寛容と移植免疫を理解している。
A-4-2-7
ワクチンの意義と種類、特徴、接種法及び副反応を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
国分 栄仁
1)自然免疫について説明できる。 
1)病原体に対する生体防御システムの概要
2)自然免疫のメカニズム
3)体表面/体組織内の自然免疫
(教科書p213~241)
【e-Learning】
11 7/8 4 A-4-2-1
自然免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-2
獲得免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-3
抗原提示機能を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
国分 栄仁
1)獲得免疫について説明できる。 
1)病原体に対する生体防御システムの概要
2)獲得免疫(液性/細胞性免疫)
(教科書p213~241)
【e-Learning】
12 7/17 4 A-4-2-6
アレルギー性疾患、自己免疫疾患、免疫不全症の種類、発症機序及び病態を理解している。
(教科書p235~241、257~264)
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
国分 栄仁
1)種々の疾患の病態を細胞分子生物学の知識を用いて説明できる。 
1)アレルギー
2)自己免疫疾患
3)腫瘍、癌
【e-Learning】
13 7/22 4 A-2-1-5
多能性幹細胞と基本的な発生学的技術を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
佐々木 穂高
1)幹細胞を概説できる。
2)幹細胞を分類できる。
3)幹細胞の活用法を説明できる。 
1.幹細胞とは
2.幹細胞の種類
3.幹細胞の活用法
(教科書p243~245、246~257)
【e-Learning】
14 9/2 4 A-1-3-5
遺伝子解析や遺伝子工学技術を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
佐々木 穂高
バイオテクノロジーの基礎的事項を説明できる 
バイオテクノロジーの基礎
1.制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)
2.電気泳動法の原理
3.遺伝子クローニングとライブラリー
4.クローニングベクター
5.DNA、RNA、タンパクの観察
  1)PCR法
  2)Southern blot法
  3)Western blot 法
(教科書p243~245、246~257)
【e-Learning】
15 9/9 4 A-1-4-1
真核細胞の全体像と細胞膜、核、細胞小器官及び細胞骨格の構造と機能を理解している。
A-4-2-2
獲得免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
 
PowerPoint と書き込みのできるカラーの資料による講義・ディスカッション  さいかち坂校舎・4階 第1講義室
 
橋本 貞充
1)細胞骨格の種類と機能を説明できる。
2)抗体の構造と機能を説明できる。
3)免疫組織化学染色法との原理を説明できる。
3)免疫組織化学染色法と免疫蛍光染色法の原理を説明できる。 
組織・細胞におけるタンパク質の観察法
1)抗体の種類と作製法
2)免疫組織化学染色法と免疫蛍光染色法の原理と手技
(教科書p220~231。参考図書「組織学・口腔組織学」p口絵 iii~口絵X、295~301)

【e-Learning】

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