第 3 学 年  生化学(講義)
前 期 計 画 表

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教科の特徴
【講義】
口腔はさまざまな多彩な細胞と組織から構成され、全身の生命現象と密接に関連しながら、口腔特有の機能を担っている。それらの生命現象を生化学的・分子生物学的・細胞生物学的な観点から学び、歯科臨床医学の基礎を学ぶのが本講座である。口腔組織はその多くが結合組織に分類される。結合組織の組成、機能、性質を深く理解することは、臨床医学・臨床歯科医学との関係を十分に理解することにつながり、歯科医療を実践する上で必要な基礎的な知識の根幹となるものである。

ナンバリング
B0901-3A

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
【講義】
口腔組織を形成する多彩な細胞と組織の特徴と、それらを構成する特有の成分とその代謝、臓器と全身の制御機能を生化学的に理解する。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
【講義】
1)口腔を構成する細胞・組織について説明できる(5%)
2)結合組織・細胞外マトリックスの特徴とその代謝について説明できる(20%)
3)硬組織の構成成分と代謝について説明できる(10%)
4)石灰化とカルシウム代謝の調節について説明できる(30%)
5)唾液の成分の構造と機能について説明できる(10%)
6)歯の発生と構成成分について説明できる(5%)
7)う蝕の機構について説明できる(5%)
8)歯周炎の進行と組織破壊の機構について説明できる(10%)
9)炎症と免疫システムについて説明できる(5%)

3.方略(LS:Learning Strategy)
【講義】
1)受動的方法:講義
2)能動的方法:講義中のディスカッション
3)媒体:教科書、参考図書、スライド

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
1)定期試験、中間テスト(総括的評価):95~100%
  講義内容の理解度を空欄補充、真偽選択、多肢選択、論述などの記述試験で評価する。
  中間テスト(1回実施)30~40%、定期試験60~70%(中間テストはシラバスに記載の範囲、定期試験は全範囲)
2)平常点評価(総括的評価)0~5%
  日常的な授業中の態度、質問事項に対する回答状況、課題の提出状況、授業の出欠状況などを評価する。

事前・事後学修
【講義】
授業内容の項目について講義プリントおよび該当する教科書に目を通してから授業に臨むこと。
事後学修として、当日の授業内容を再度見直し、重要ポイントについて各自まとめたノートを作成する。

【e-Learning】

教科書
【講義】
口腔生化学第6版 早川太郎・須田立男監修 高橋信博・宇田川信之・東 俊文・上條竜太郎・石崎 明・加藤靖正・田村正人・山越康雄著 医歯薬出版

参考図書
【講義】
細胞外マトリックス-基礎と臨床 小出輝・林利彦編 愛智出版
う蝕細菌の分子生物学 武笠英彦監修 クインテッセンス社
唾液の科学 石川達也・高江善矩監修 東京一世出版

オフィスアワー
【講義】
1)授業終了後の次の授業が始まるまで講義室内で実施。
2)講義日の放課後17:30~18:30、本館10階生化学講座にて実施。
 (但し、それ以外の時間でも講義担当者が在室であれば可能な限り質問を受け付ける)
3)生化学実習班は、実習課題終了後にも可。
4)メールでの質問も可。

総授業コマ数
15コマ

出席について
出席は講義開始後、直ちに取る。講義開始15分までに入室した者は遅刻とする。その際には教卓にある遅刻者リストに、時間・出席番号・氏名を記入すること。講義開始後15分以降は欠席とする。また、公共交通機関の遅延は考慮しない。

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 小野寺 晶子 准教授*, 中村 貴 講師, 間 奈津子 講師*
 齋藤 暁子 助教, 大野 建州 准教授*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 4/12 1 A-1-3-2)
核酸、遺伝子及び染色体の構造と機能を理解している。
A-1-4-5)
細胞死の種類と基本的機序を理解している。
A-1-3-5)
遺伝子解析や遺伝子工学技術を理解している。
A-2-1-1)
出生までにみられる胚形成の全体像を理解している。
A-2-4-1)
口腔と顎顔面領域の発生を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
小野寺 晶子
口腔機能分子・細胞生物学を理解し、説明できる。 
第1章:口腔生化学の分子・細胞生物学的理解のために
(1)細胞の機能を制御する仕組み、細胞内シグナル伝達
(2)染色体の構造と遺伝子発現の仕組み
(3)アポトーシス誘導の分子メカニズム
第3章:骨と歯の進化と形づくりの分化メカニズム
(1)転写調節因子と形態形成
肢芽の構造と体軸の決定
(2)骨(軟骨)の形を決めるホメオボックス遺伝子
(3)歯の形成とホメオボックス遺伝子
(4)歯と骨の再生
【e-Learning】第 1回_口腔生化学の分子
2 4/19 1 A-1-5-3)
主な細胞外マトリックス分子の種類、構造及び機能を理解している。
A-1-5-4)
主な細胞外マトリックス分子の合成と分解を理解している。
A-1-5-1)
細胞接着の機構を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
小野寺 晶子
総合組織・細胞外マトリックスの特徴とその代謝について説明できる 
第4章:結合組織と上皮組織の生化学
(1)結合組織の構成と機能
(2)細胞外マトリックスの構造と機能
【e-Learning】
3 4/26 1 A-1-2-1)
アミノ酸とタンパク質の構造、機能及び代謝を理解している。
A-1-5-1)
細胞接着の機構を理解している。
A-1-5-2)
受容体を介するホルモン、成長因子、サイトカイン等による細胞間及び細胞内の情報伝達機構を理解している。
A-1-5-3)
主な細胞外マトリックス分子の種類、構造及び機能を理解している。
A-1-5-4)
主な細胞外マトリックス分子の合成と分解を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
小野寺 晶子
齋藤 暁子
コラーゲンの形態・種類・合成・修飾およびその代謝について説明できる 
第4章:結合組織と上皮組織の生化学
(1)コラーゲンの形態・種類・合成・修飾
(2)細胞外マトリックス成分の受容体(細胞接着)
(3)細胞外マトリックス成分の分解
(4)結合組織の代謝に影響する因子
   ・加齢
   ・ビタミン
   ・ホルモン
【e-Learning】
4 5/10 1 A-3-1-2-2)
結合(支持)組織の分類、構成する細胞と細胞間質を理解している。
A-3-1-2-3)
骨と軟骨の組織構造と構成する細胞を理解している。
A-3-1-2-5)
硬組織の成分と石灰化の機序を理解している。
 
講義   新館・11階 第1講義室
 
小野寺 晶子
硬組織の構成成分とその代謝について説明できる 
第5章:骨、歯と歯周組織の有機成分とその代謝
(1)骨と歯の組成
(2)骨、象牙質に特徴的な非コラーゲン性タンパク質
(3)結合組織にも共通に存在する骨および象牙質非コラーゲン性タンパク質
(4)エナメル質の有機成分
【e-Learning】
5 5/17 1 A-1-3-2)
核酸、遺伝子及び染色体の構造と機能を理解している。
A-1-4-5)
細胞死の種類と基本的機序を理解している。
A-2-1-1)
出生までにみられる胚形成の全体像を理解している。
A-1-5-1)
細胞接着の機構を理解している。
A-1-5-3)
主な細胞外マトリックス分子の種類、構造及び機能を理解している。
A-1-5-4)
主な細胞外マトリックス分子の合成と分解を理解している。
A-3-1-2-2)
結合(支持)組織の分類、構成する細胞と細胞間質を理解している。
A-3-1-2-3)
骨と軟骨の組織構造と構成する細胞を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
小野寺 晶子
口腔を構成する細胞・組織について説明できる
結合組織、細胞外マトリックス、コラーゲンの特徴と合成・代謝について説明できる
骨と歯の有機成分と代謝について説明できる 
講義1回目~4回目までの内容を復習し、理解する
【e-Learning】
6 5/24 1 A-1-3-2)
核酸、遺伝子及び染色体の構造と機能を理解している。
A-1-4-5)
細胞死の種類と基本的機序を理解している。
A-2-1-1)
出生までにみられる胚形成の全体像を理解している。
A-1-5-1)
細胞接着の機構を理解している。
A-1-5-3)
主な細胞外マトリックス分子の種類、構造及び機能を理解している。
A-1-5-4)
主な細胞外マトリックス分子の合成と分解を理解している。
A-3-1-2-2)
結合(支持)組織の分類、構成する細胞と細胞間質を理解している。
A-3-1-2-3)
骨と軟骨の組織構造と構成する細胞を理解している。
 
テスト
講義 
新館・11階 第1講義室
新館・12階 第2実習講義室
 
小野寺 晶子
中村 貴
間 奈津子
齋藤 暁子
口腔を構成する細胞・組織について説明できる
結合組織・細胞外マトリックス、コラーゲンの特徴と合成・代謝について説明できる
骨と歯の有機成分と代謝について説明できる 
中間試験(1回目)
第1回講義~第5回講義までの内容について試験を行う。
【e-Learning】
7 5/31 1 A-3-1-2-3)
骨と軟骨の組織構造と構成する細胞を理解している。
A-3-1-2-5)
硬組織の成分と石灰化の機序を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
中村 貴
骨と歯の無機成分と石灰化機構について説明できる 
第6章:骨と歯の無機成分と石灰化機構
(1)リン酸カルシウムとアパタイト前駆体
(2)ヒドロキシアパタイトの結晶学
(3)アパタイトの特異な性質
(4)エナメル質アパタイトの特徴
(5)エナメル質の無機成分の特徴
(6)血清中のカルシウムとリン酸の活動度積
(7)骨の石灰化
(8)エナメル質と象牙質の石灰化機構
【e-Learning】
8 6/7 1 A-3-1-2-1)
人体の基本的な骨格系と骨の結合様式を理解している。
A-3-1-2-4)
骨発生(軟骨内骨化と膜内骨化)、骨成長及びリモデリングの機序と調節機構を理解している。
A-3-1-2-5)
硬組織の成分と石灰化の機序を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
中村 貴
骨・軟骨の組成と代謝について概説できる。 
第7章:硬組織の形成と吸収のしくみ
(1)軟骨細胞、骨芽細胞および骨細胞の分化と機能発現の調節
(2)破骨細胞の分化と機能発現の調節
(3)リモデリング
【e-Learning】
9 6/14 1 A-3-1-9-2)
ホルモンの種類、作用及び異常を理解している。
A-3-1-9-3)
恒常性維持と内分泌系、神経系の機能相関を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
中村 貴
血清カルシウムの恒常性とその調節機構を説明できる 
第8章:血清カルシウムの恒常性とその調節機構
(1)生体内におけるカルシウムの動き
(2)血清カルシウムの恒常性
(3)副甲状腺ホルモンとその役割
(4)カルシトニンとその作用
(5)活性型ビタミンDとその役割
【e-Learning】
10 6/21 1 A-3-3-6)
唾液の性状、構成成分及び機能を理解している。
A-3-3-7)
唾液腺の構造、機能及び分泌調節機序を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
間 奈津子
唾液の成分の構造と機能について説明できる 
第9章:唾液の生化学
(1)唾液腺の構造と神経支配
(2)唾液分泌のメカニズム
(3)唾液腺と唾液組成
(4)唾液の有機組成
(5)唾液の無機成分
【e-Learning】
11 6/28 1 A-4-1-1)
細菌、ウイルス、真菌及び原虫の基本的な構造と性状を理解している。
A-4-1-2)
細菌、ウイルス、真菌及び原虫のヒトに対する感染機構と病原性を理解している。
D-3-2-1)
齲蝕とその他の歯の硬組織疾患(Tooth Wear(歯の損耗)、生活歯の変色、象牙質知覚過敏症、歯の亀裂・破折、歯の形成不全、歯の形態異常)の病因と病態を理解している。
D-3-2-4)
口腔細菌、プラーク(口腔バイオフィルム)及び歯石を理解している。
D-5-1-1)
主な歯科疾患(齲蝕、歯周疾患、不正咬合)の予防を理解している。
D-5-1-2)
齲蝕予防における予防塡塞及びフッ化物の応用方法を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
間 奈津子
齲蝕の発生機序と再石灰化について説明できる 
第11章:齲蝕の生化学
(1)齲蝕発生の基礎
(2)多因子疾患としての齲蝕発症のしくみ
(3)生活習慣病としての齲蝕
(4)初期齲蝕とエナメル質再石灰化
(5)齲蝕の予防
第10章:プラークの生化学
(1)ペリクルとプラークの形成
(2)歯肉縁上プラーク
(3)歯肉縁下プラーク
(4)口臭
【e-Learning】
12 7/5 1 D-3-2-3
歯周疾患の病因と病態を理解している。
D-3-2-4
口腔細菌、プラーク(口腔バイオフィルム)及び歯石を理解している。
D-5-2-3-1
歯周疾患の症状と全身疾患との関連を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
間 奈津子
歯周炎の進行と組織破壊の機構について説明できる 
第13章:歯周疾患の成り立ちと歯周組織の再生
(1)歯周組織の破壊
(2)歯周組織の再生
【e-Learning】
13 7/12 1 A-4-2-1)
自然免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-2)
獲得免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-3)
抗原提示機能を理解している。
A-4-2-4)
粘膜免疫を理解している。
A-4-2-5)
免疫寛容と移植免疫を理解している。
A-4-2-6)
アレルギー性疾患、自己免疫疾患、免疫不全症の種類、発症機序及び病態を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
大野 建州
炎症と免疫の生化学的機構について説明できる
生体防御機構と炎症について説明できる 
第12章:炎症と免疫
(1)生体防御機構の構築
(2)免疫システムの概要
(3)免疫のしくみ
【e-Learning】
14 7/19 1 A-5-5-1)
炎症の定義と機序を理解している。
A-5-5-2)
炎症に関与する細胞の種類と機能を理解している。
A-5-5-3)
滲出性炎の種類、形態的特徴及び経時的変化を理解している。
A-5-5-5)
炎症の全身反応を理解している。
A-4-2-4)
粘膜免疫を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
大野 建州
炎症について説明できる 
第12章:炎症と免疫
(1)炎症の経過
(2)炎症とケミカルメディエーター
(3)粘膜免疫と免疫寛容
【e-Learning】
15 9/6 1 A-3-1-2-4
骨発生(軟骨内骨化と膜内骨化)、骨成長及びリモデリングの機序と調節機構を理解している。
A-3-1-2-5
硬組織の成分と石灰化の機序を理解している。
A-3-1-9-2
ホルモンの種類、作用及び異常を理解している。
A-3-1-9-3
恒常性維持と内分泌系、神経系の機能相関を理解している。
A-3-3-6
唾液の性状、構成成分及び機能を理解している。
A-3-3-7
唾液腺の構造、機能及び分泌調節機序を理解している。
A-4-1-1
細菌、ウイルス、真菌及び原虫の基本的な構造と性状を理解している。
D-5-1-1
主な歯科疾患(齲蝕、歯周疾患、不正咬合)の予防を理解している。
D-5-2-3-1
歯周疾患の症状と全身疾患との関連を理解している。
A-4-2-1
自然免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-4-2-2
獲得免疫を担当する細胞の種類と機能を理解している。
A-5-5-1
炎症の定義と機序を理解している。
 
講義  新館・11階 第1講義室
 
中村 貴
間 奈津子
大野 建州
骨・歯の無機成分と石灰化機構について説明できる
骨・軟骨の組成と代謝について説明できる
骨芽細胞、破骨細胞の分化と特徴について説明できる
血清カルシウム代謝について説明できる
唾液、齲蝕、歯周病の特徴について説明できる
炎症と免疫システムについて説明できる 
講義7回目~14回目までの内容を復習し、理解を深める。
【e-Learning】

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