第 3 学 年  歯科薬理学
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教科の特徴
医学の究極の目的は、疾病(病気)を予防し治療することによる個人の健康の維持である。薬理学は医学・歯科医学で用いられる薬物を対象とする生物科学で、薬物によっておこる生体反応およびその作用機序を研究する学問である。すなわち、疾病による生体の変化と最適な薬物の選択、薬物適用後の生体変化と疾病の転帰について明らかにする学問である。従って、薬理学では歯科医師として患者の疾病に適応した薬物を適切に投与できるように、基礎的な知識を提供することを目的とする。それゆえ、薬理学は解剖学、生理学、生化学、薬学を基礎として成り立つ著しく広範な位置を占めており、疾病の治癒を目的とする臨床医学のために重要な学問である。
歯科医学における薬物の投与は、薬物の主作用と副作用による中毒のみならず、服用しているほかの薬物などとの相互作用が問題となる。高齢化社会を迎え、複数の診療科を受診・投薬を受けている患者が歯科を受診する機会が増加しているからである。このような患者に対し、歯科臨床で投与する薬物について、病態にあった適切で正しい薬物投与を行うことは勿論、投与された薬物による患者の生理機能や基礎疾患に対する影響、他の薬物などとの相互作用の正確な予測を行い、適切に対処できることが、歯科医師に対して要求される。そこで、医学全般に対する興味を懐き、幅広く正確な基礎医学の知識を習得した上で、臨床科目の修得が必要とされる。本教科は、医学・歯科医学を統合的に理解して全人的な歯科医療を提供するために必要な基礎的な知識の根幹となるものである。
薬理学の講義内容は、薬理学総論と各論に分かれる。総論では薬物一般に共通する作用点、投与方法と投与量、反応、吸収と分布、代謝と排泄などの概念について学ぶ。各論では各薬物の使用目的、作用機序、使用量などについて学ぶ。各論は一般薬理学と歯科薬理学に分かれるが、厳密な区分は不可能である。講義では、歯科領域に密接な関係のある薬物は歯科薬理学で、それ以外の薬物を一般薬理学で扱うが、他の項目では特に区分を明確にしていない。(コンピテンシー2、3、7、8(3))

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
薬物を適切に使用できるように治療における薬物の役割と生体内での動態について理解する。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
1)薬物の作用点(受容体、酵素)を説明できる。(10%)
2)薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)を説明できる。(10%)
3)薬理作用に影響する因子について説明できる。(10%)
4)薬物の相互作用を説明できる。(10%)
5)中枢神経系に作用する薬物を説明できる。(10%)
6)自律神経系に作用する薬物を説明できる。(10%)
7)末梢神経系に作用する薬物を説明できる。(10%)
8)循環器系に作用する薬物を説明できる。(10%)
9)呼吸器系に作用する薬物を説明できる。(10%)
10)内分泌系に作用する薬物を説明できる。(10%)

3.方略(LS:Learning Strategy)
1)講義
2)ディスカッション
3)ポストテスト
4)e-learning http://els.tdc.ac.jp/els/login.pl

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
1)筆記試験 100%

事前・事後学修
事前:教科書を10分程度読む。
事後:ポストテスト。
   重要ポイントをリストアップして、レジメに記載。


教科書
1)大谷啓一他 監修:現代歯科薬理学 第6版、医歯薬出版
2) 大浦 清他 編集:ポイントがよくわかるシンプル歯科薬理学 第1版 永末書店

参考図書
1)清野 裕 日本語版監修:病態生理に基づく臨床薬理学、MEDSi
2) 医療情報科学研究所 編:薬がみえる、メディックメディア
3)Brunton,L.L. 編:Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics 12th Edition、McGraw-Hill


オフィスアワー
毎週月曜日・金曜日、午後5時30分以降
新館6階 薬理学講座研究室
在室であれば可能な限り

総授業コマ数
15コマ

出席について
出席は講義開始後10分以内に取る。また講義開始30分後までに入室した場合は遅刻とし、それ以降は欠席とする。

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 笠原 正貴 教授*, 野村 武史 教授*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 4/12 1 C-3-4)-(5)-②
体性神経系と自律神経系の構造と機能を説明できる。
C-3-4)-(5)-③
交感神経系と副交感神経系の構造と機能を説明できる。
C-3-4)-(5)-⑨
シナプス伝達の機序と神経伝達物質を説明できる。
C-6-2)-①
薬理作用の基本形式と分類を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 自律神経系の生理作用を説明できる。
2. 神経伝達物質と受容体の関係を説明できる。  
1. 自律神経系に作用する薬物(1) (試:薬理)
  1) 神経薬理学総論
   (1) 自律神経の解剖
   (2) 自律神経の生理的役割
   (3) 化学伝達物質
   (4) 薬物受容体
  
2 4/19 1 C-3-4)-(5)-②
体性神経系と自律神経系の構造と機能を説明できる。
C-3-4)-(5)-③
交感神経系と副交感神経系の構造と機能を説明できる。
C-3-4)-(5)-⑨
シナプス伝達の機序と神経伝達物質を説明できる。
C-6-2)-①
薬理作用の基本形式と分類を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 交感神経作動薬を分類し、その作用機序を説明できる。
2. 交感神経遮断薬を分類し、その作用機序を説明できる。
 
1. 自律神経系に作用する薬物(3) (試:薬理)
  4) 交感神経作動薬
   (1) カテコールアミン
   (2) カテコールアミン以外の交感神経作動薬
      a)薬物名 b)薬理作用 c)応用
  5) 交感神経遮断薬
   (1) α受容体遮断薬
      a)薬物名 b)薬理作用 c)応用
3 4/26 1 C-3-4)-(5)-⑨
シナプス伝達の機序と神経伝達物質を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
E-1-6)-③
救急処置に用いられる薬物を列挙し、その作用機序と適応を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 中枢神経に興奮作用のある薬物を説明できる。
2. 救急蘇生薬を説明できる。 
6. 中枢神経系に作用する薬物(1) (試:薬理)
  1) 痙攣の機序
   (1) シナプス前抑制
   (2) シナプス後抑制
  2) 中枢興奮薬
   (1) 大脳皮質を興奮させる薬物
   (2) 脳幹を興奮させる薬物
   (3) 脊髄を興奮させる薬物
4 5/10 1 C-6-1)-②
毒薬、劇薬及び麻薬等の表示と保管を説明できる。
C-6-1)-③
日本薬局方を説明できる。
C-6-2)-③
薬理作用を規定する要因(用量と反応、感受性)を説明できる。
C-6-3)-①
薬物の適用方法の種類と特徴を説明できる。
C-6-4)-①
薬物の一般的副作用と有害事象を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 薬物の有用性と為害性を理解する。
2. 薬の作用点を理解する。
3. 薬の取り扱いを理解する。
4. 薬物治療効果の個体と遺伝子多型性の関係を理解する。 
1. 薬物・薬物療法の考え方 (試:薬理)
  1) 薬と毒、薬とリスク
   (1) 薬には有効性と有害性の二面性がある
    (主作用と副作用;有効作用と有害作用)
   (2) 薬の効き方には個人差がある
    (カスタムメード医療の必要性;代謝酵素の遺伝子多型性)
   (3) 薬で何を治すのか
    (原因療法と対症療法;予防療法と補充療法)
   (4) 薬物はどのようにしたら
     目的の場所に作用させることができるのか
    (投与方法の種類;ドラッグデリバリーシステム;剤型)
  2)薬物の表示と管理
   (1) 劇薬、毒薬、麻薬、向精神薬の表示と管理
  3) 薬事法と日本薬局方
  4) 麻薬及び向精神薬取締法・覚醒剤取締法
5 5/17 1 C-6-3)-②
薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)について、加齢、病態による違いや薬物の相互作用による変化を含め、説
明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト
 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 生体内の薬物動態の解析法を理解する。 
2. 薬物動態 ファーマコカイネティックス(2)  (試:薬理)
  2) 薬物の血中濃度変化
   (1) 腸肝循環
   (2) 生物学的半減期(T1/2)
   (3) 生物学的利用能(バイオアベイラビリティー)
   (4) 血中濃度曲線下面積(AUC)
   (5) 薬物のモニタリング(TDM)
6 5/24 1 C-6-2)-③
薬理作用を規定する要因(用量と反応、感受性)を説明できる。
C-6-2)-④
薬物の連用の影響(耐性、蓄積及び薬物依存)を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 薬物の効果に影響する因子を理解する。 
3. 薬理学概論(2)  (試:薬理)
  3) 薬効の評価
   (1) プラセボ効果
  4) 薬効に影響を及ぼす因子
   (1) 薬物側の因子
   (2) 生体側の因子
  5) 薬物の連用(反復適用)
   (1) 耐性
   (2) タキフィラキシー
   (3) 薬物依存
   (4) 蓄積
7 5/31 1 C-6-2)-①
薬理作用の基本形式と分類を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
E-1-4)-(3)-①
局所麻酔の特徴と目的及び種類を説明できる。
E-1-4)-(3)-②
局所麻酔薬の分類と、その作用機序を説明できる。
E-1-4)-(3)-④
血管収縮薬の使用目的と種類、特徴及び臨床使用上の注意を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 局所麻酔法を説明できる。
2. 局所麻酔薬を分類し、その作用機序を説明できる。
3. 血管収縮薬を添加する目的を説明できる。
4. 血管収縮薬の種類を説明できる。 
10. 末梢神経に作用する薬物(1)  (試:歯薬)
  1) 局所麻酔薬  
   (1) 概論  
   (2) 作用機序   
   (3) 主な薬物 
  2) 血管収縮薬  
   (1) 局所麻酔薬に添加する目的  
   (2) 主な薬物
8 6/7 1 C-3-4)-(6)-④
疼痛の種類、発生機序及び制御機構を説明できる。
C-6-2)-①
薬理作用の基本形式と分類を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 痛みの発生機構を説明できる。
2. 発痛物質を説明できる。
3. 鎮痛薬を分類できる。
4. 麻薬性鎮痛薬を説明できる。 
7. 鎮痛薬(1) (試:薬理)
  1) 概論
   (1) 痛みの発生機構
   (2) 痛みの伝達
   (3) 痛みに関与する物質
  2) 麻薬性鎮痛薬
   (1) 作用機序
   (2) 主な薬物
9 6/14 1 C-5-5)-①
炎症の定義と機序を説明できる。
C-6-2)-①
薬理作用の基本形式と分類を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
E-2-4)-(3)-⑤
消炎療法の意義と特徴を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 炎症の概念を説明できる。
2. ステロイド性抗炎症薬を説明できる。 
9. 抗炎症薬(1) (試:歯薬)
  1) 概論
   (1) 炎症の誘因
   (2) 炎症の経過
   (3) 炎症に関与する物質
  2) 抗炎症薬の作用機序
  3) ステロイド性抗炎症薬
10 6/21 1 C-4-1)-⑤
化学療法の目的と原理及び化学療法薬の作用機序並びに薬剤耐性機序を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 化学療法の目的を説明できる。
2. 抗菌スペクトルの特徴を説明できる。
3. 抗菌薬を分類し、その作用機序を説明できる。   
4. 化学療法薬(1)  (試:歯薬)
  1) 化学療法の特徴
  2) 抗菌スペクトルの特徴
  3) 抗菌薬の種類
   (1) ペニシリン系
   (2) セフェム系
   (3) アミノ配糖体系
   (4) テトラサイクリン系
   (5) マクロライド系
   (6) クロラムフェニコール系
   (7) ニューキノロン系
   (8) その他
11 6/28 1 C-2-2)-②
デオキシリボ核酸(DNA)複製と修復の機序を説明できる。
C-2-2)-③
転写と翻訳の過程と調節機序を説明できる。
C-4-1)-⑤
化学療法の目的と原理及び化学療法薬の作用機序並びに薬剤耐性機序を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 抗ウイルス薬の種類とその作用機序を説明できる。 
5. 抗ウイルス薬  (試:歯薬)
  1) 概論
  2) 抗ウイルス薬の種類
   (1) 抗ヘルペスウイルス薬
   (2) 抗エイズウイルス薬
   (3) その他

12 7/5 1 C-2-3)-③
細胞周期と細胞分裂を説明できる。
C-4-1)-⑤
化学療法の目的と原理及び化学療法薬の作用機序並びに薬剤耐性機序を説明できる。
C-5-6)-①
腫瘍の定義を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室   野村 武史
1. 抗悪性腫瘍薬の種類と作用点を説明できる。 
8. 抗悪性腫瘍薬  (試:歯薬)
  1) 概論
  2) 抗悪性腫瘍薬の種類
   (1) アルキル化薬
   (2) 代謝拮抗薬
   (3) 抗生物質
   (4) 植物アルカロイド
   (5) その他
13 7/12 1 C-3-4)-(4)-⑥
造血器官と造血機構を説明できる。
C-3-4)-(4)-⑦
止血、血液凝固及び線溶の機序を説明できる。
C-4-1)-④
滅菌と消毒の意義、種類及び原理を説明できる。
C-6-2)-①
薬理作用の基本形式と分類を説明できる。
C-6-2)-②
薬物作用とその作用機序を説明できる。
C-6-4)-①
薬物の一般的副作用と有害事象を説明できる。
E-1-5)-⑥
手指と術野の消毒法を説明できる。
E-1-5)-⑦
清潔と不潔の区別を説明できる。
E-1-5)-⑧
器具の消毒・滅菌法を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 止血ー線溶機構を説明できる。
2. 止血薬、抗凝固薬をあげることができる。
3. 貧血に使う薬をあげることができる。
4. 重金属中毒と解毒薬を説明できる。
5. 収斂、腐蝕薬の違いを説明できる。
6. 消毒薬の種類と特徴を説明できる。
7. 消毒薬の作用点を説明できる。   
10. 血液および造血臓器に作用する薬物
  1) 概論
  2) 止血薬
  3) 抗凝固薬
  4) 貧血に用いられる薬
11. 重金属拮抗薬  (試:歯薬)
  1) 概論
  2) 重金属
   (1) 主な重金属
   (2) 中毒作用 
  3) 重金属拮抗薬
   (1) 主な薬物
   (2) 作用機序
  4) 収斂薬
   (1) 主な薬物
   (2) 作用機序
  5) 腐蝕薬
   (1) 主な薬物
   (2) 作用機序
12. 消毒薬  (試:歯薬)
  1) 概論 
  2) 作用機序
  3) 消毒薬の種類
   (1) フェノール系
   (2) アルコール系 
   (3) アルデヒド系 
   (4) ハロゲン系
   (5) 界面活性剤
   (6) その他
14 7/19 1 C-6-2)-⑤
薬物の併用(協力作用、拮抗作用、相互作用)を説明できる。
 
講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1. 薬物の効果に影響する因子を理解する。 
3. 薬理学概論(4) (試:薬理)
  7) 薬物の相互作用
   (1) 薬物間の相互作用
   (2) 薬物と食品・嗜好品との相互作用
15 9/6 1   講義
ディスカッション
ポストテスト 
新館・第1講義室  笠原 正貴
1.提示された課題を理解する。 
15.まとめ
 1)提示した課題の解説

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