第 4 学 年  オーラルメディシン学
前 期 計 画 表

↓授業日程表を表示

教科の特徴
オーラルメディシン学とは、口腔疾患の診断と治療および全身的異常を有する患者の歯科医療を中心に研究する歯学の一分野である。歯科を受診する患者のほとんどは歯を中心とした口腔に関する主訴を有しているが、その診断と治療には口腔内のみを対象とするだけでは完全とはいえず、患者の全身の状態を診ることが必要である。もちろん口腔に限局する疾患もあるが、病変が口腔内に限局していても、全身に対して何らかの影響を与えているし、逆に全身疾患に随伴する口腔症状も非常に多い。また、すべての歯科治療は処置前、処置中、処置後を通じ全身に対して侵襲を与えていることから、これらの臨床的立場を基本として次のような講義の内容を計画している。なお講義はオーラルメディシン・口腔外科学講座が担当する。
1.全身疾患(主として内科疾患)を有する患者が歯科受診をした場合にはどのように他診療科との診療協力を行うか、また他科の患者に関する対応などチーム医療の基本的事項を講義する。
2.口腔疾患のうち、特に口腔粘膜疾患に関して全身疾患も考慮した口腔診断法を、検査方法の種類やその基礎と応用方法を理解できるように講義する。
3.他科との連携が必要な診療の場は総合病院となるが、一方で歯科診療所との地域連携の重要性と診療協力の実際に関しても講義する。
4.以上の講義を踏まえ、口腔と全身との関わりあいを考えたチュートリアル(PBL)を行う。
オーラルメディシン学は臨床的に重要な問題をテーマとした教科であり、社会と歯科医療の急速な進歩にしっかりと対応できる内容であるように心がけている。
講義13コマ、ケースメソッド(PBL)2コマ
ディプロマポリシーとの関連:医学・歯科医学を統合的に理解するためには当科の講義内容は必須知識である。

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
1.全身疾患を考えながら口腔疾患の診断と治療が進められるように、全身疾患および口腔疾患についてそれぞれの基礎と病態およびその関連を理解する。
2.高齢者をはじめ、様々な全身疾患をもった人たちの歯科治療を行うに際して、それら全身疾患を把握し、歯科治療が全身に及ぼす影響を、また全身疾患が歯科治療に与える影響について理解する。
3.診察をすすめていく上で、患者と歯科医師の良好な関係を築くための医療面接の基礎と応用方法を再確認する。また、他科の医師をはじめとした関連する職域の人達との医療連携、チーム医療を理解する。
4.与えられたテーマに対して、グループ討議を行い、問題点を明確にし、その対応方法を協議する手法を理解する。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
GIO1に対して
1.口腔に発生する疾患を病態別に列挙し説明できる。
2.主たる全身疾患を病態別に列挙し説明できる。
3.口腔と全身の関連性について歯科治療上の問題点を列挙し説明できる。
4.検査・診断方法を列挙し説明できる。
GIO2に対して
1.高齢者、全身疾患を抱える人たちの医学的、心理社会的問題について理解し説明できる。
2.安全に歯科治療を行う上で、注意する全身疾患を列挙し、歯科治療が全身に及ぼす影響について説明できる。また全身疾患が歯科治療に及ぼす影響について説明できる。
GIO3に対して
1.患者の身体的・精神的・社会的苦痛に配慮し、問題点を抽出・整理する必要性を説明できる。
2.患者に診断結果と治療方針を適切に説明することの必要性を説明できる。
3.医療連携、チーム医療の必要性と行なう上での技術、問題点を適切に説明できる。
GIO4に対して
ケースメソッド(PBL):与えられたテーマについて
1.積極的に討議に参加し、問題点を抽出し、討論できる。
2.他の参加者と協調しながら議論を展開できる。
3.問題解決に向けて必要な資料を準備し、適確な診断、治療方法を説明できる。

3.方略(LS:Learning Strategy)
講義:各行動目標についてPCプロジェクターなど視覚的教材を多用し、さらに必要な資料を配付して講義する。
ケースメソッド(PBL):与えられたテーマについて問題点を抽出し、討論する。問題解決に向けて必要な資料を準備し、適確な診断、治療方法を理解する。

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
1) 定期試験(総括的評価):90%
  講義内容の理解度を多肢選択式試験、記述試験で評価する。
2) 平常点評価(総括的評価):10%
  講義に参加している態度(観察)、講義の理論構築(観察)、
  問題解決に向けた努力度(観察)、自己学習態度(態度)
3) レポート(形成的評価)
  PBL実習におけるレポート内容を評価する。

事前・事後学修
事前:教科書の当日の授業内容に該当する部分を読み、概要を把握する。
事後:講義中に記載した自身のノートを熟読し記憶させること。

教科書
山根源之 他編集主幹、片倉 朗他編集委員:『口腔内科学』(永末書店)

参考図書
バーケット 著:オーラルメディシン -口腔病の診断と処置(医歯薬出版)
Silverman 他編:Essentials of Oral Medicine,BC Decker(医学書院)
山根源之 他編:歯科医のための皮膚科学(医歯薬出版)
西田次郎 他編;山根源之(分担):歯科のための内科学(南江堂)
片倉 朗 監修:オーラルメディシンに基づいた次世代の歯科診療(クインテッセンス出版株式会社)

オフィスアワー
日時:授業終了後 〜 18:00 
場所:本館9F 市川総合病院教職員控室

総授業コマ数
15コマ

出席について

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 野村 武史 教授*, 佐藤 一道 准教授*, 澁井 武夫 准教授*
 酒井 克彦 講師*, 河地 誉 助教*, 斎藤 寛一 助教*
 吉田 佳史 助教*, 齋藤 一郎 非常勤講師*, 平野 浩彦 非常勤講師*

↑科目ページのtopに戻る

月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 4/11 4 A-3-2
全身状態の評価に基づいた口腔・顎顔面領域の診察ができる。
A-5-1)
患者中心のチーム医療
A-7-1)-3
地域包括ケアシステムの概念を理解し、地域における、保健(母子保健、学校保健、産業保健、成人・高齢者保健、地域保健、精神保健)・医療・福祉・介護の分野間及び多職種間(行政を含む)の連携の必要性を説明できる。
E-5-1)-2
高齢者に多く見られる疾患及び服用している薬物を説明できる。
E-5-1)-5
高齢者の歯科治療時の全身管理を説明できる。
E-6
医師と連携するために必要な医学的知識
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.口腔と全身の関連性について歯科治療上の問題点を列挙し説明できる。
2.高齢者、全身疾患を抱える人たちの医学的問題について説明できる。
3.医療連携、チーム医療の必要性と行なう上での技術、問題点を適切に説明できる。
4.地域包括ケアの構築に向けた次世代の歯科医療の重要性を理解できる。 
オーラルメディシン学概論
口腔内科学とは、超高齢社会におけるチーム医療の重要性
2 4/11 5 E-1-1)
診察の基本
E-2-4)
口腔・顎顔面領域の疾患
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.全身的な疾患を持つ患者の特徴、諸問題について説明できる。
2.診断に必要な診察法を説明できる。
3.診断に必要な検査法を説明できる。
6.診察・検査所見から歯科的問題を抽出し説明できる。 
診断学総論<口腔疾患患者の診かた>
診断の進め方、歯科治療で注意すべき病態
3 4/25 4 A-3-2
全身状態の評価に基づいた口腔・顎顔面領域の診察ができる。
E-1-4)-(1)
全身管理
E-6-1
全身の症候・病態を説明できる。(発熱、全身倦怠感、体重減少・増加、ショック、意識障害、脱水、浮腫、けいれ ん、めまい、黄疸、呼吸困難、チアノーゼ、頭痛、動悸、息切れ、胸痛、睡眠障害、嘔吐、下痢)
E-6-2
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.主たる血液疾患を病態別に列挙し説明する。
2.主たる血液疾患と口腔との関連性を列挙し説明する。
3.安全に歯科治療を行う上で、注意する血液疾患を列挙し、歯科治療上の注意点を説明する。 
全身疾患と口腔内科1
血液疾患
4 4/25 5 A-3-2
全身状態の評価に基づいた口腔・顎顔面領域の診察ができる。
E-1-4)-(1)
全身管理
E-6-1
全身の症候・病態を説明できる。(発熱、全身倦怠感、体重減少・増加、ショック、意識障害、脱水、浮腫、けいれ ん、めまい、黄疸、呼吸困難、チアノーゼ、頭痛、動悸、息切れ、胸痛、睡眠障害、嘔吐、下痢)
E-6-2
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.主たる循環器疾患を病態別に列挙し説明する。
2.主たる循環器疾患と口腔との関連性を列挙し説明する。
3.安全に歯科治療を行う上で、注意する循環器疾患を列挙し、歯科治療上の注意点を説明する。 
全身疾患と口腔内科2
循環器疾患
5 5/16 4 A-3-2
全身状態の評価に基づいた口腔・顎顔面領域の診察ができる。
E-1-4)-(1)
全身管理
E-6-1
全身の症候・病態を説明できる。(発熱、全身倦怠感、体重減少・増加、ショック、意識障害、脱水、浮腫、けいれ ん、めまい、黄疸、呼吸困難、チアノーゼ、頭痛、動悸、息切れ、胸痛、睡眠障害、嘔吐、下痢)
E-6-2
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.主たる呼吸器疾患と消化器疾患を列挙し、病態を説明できる。
2.呼吸器疾患と消化器疾患の治療法について列挙し、全身的問題点について説明できる。
3.呼吸器疾患と消化器疾患における歯科治療上の問題点を列挙し説明する。
 
全身疾患と口腔内科3
呼吸器疾患、消化器疾患
6 5/16 5 A-3-2
全身状態の評価に基づいた口腔・顎顔面領域の診察ができる。
E-1-4)-(1)
全身管理
E-6-1
全身の症候・病態を説明できる。(発熱、全身倦怠感、体重減少・増加、ショック、意識障害、脱水、浮腫、けいれ ん、めまい、黄疸、呼吸困難、チアノーゼ、頭痛、動悸、息切れ、胸痛、睡眠障害、嘔吐、下痢)
E-6-2
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  澁井 武夫
1.腎臓疾患、代謝・内分泌疾患を列挙し説明する。
2.腎臓疾患、代謝・内分泌疾患が及ぼす口腔との関連を列挙し説明する。
3.腎臓疾患、代謝・内分泌疾患を有する患者を安全に歯科治療を行う上で、注意すべきことを列挙し説明できる。 
全身疾患と口腔内科4
腎臓疾患、代謝・内分泌疾患

7 5/23 5 A-3-2
全身状態の評価に基づいた口腔・顎顔面領域の診察ができる。
E-1-4)-(1)
全身管理
E-6-1
全身の症候・病態を説明できる。(発熱、全身倦怠感、体重減少・増加、ショック、意識障害、脱水、浮腫、けいれ ん、めまい、黄疸、呼吸困難、チアノーゼ、頭痛、動悸、息切れ、胸痛、睡眠障害、嘔吐、下痢)
E-6-2
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
E-6-3
妊産婦の歯科医療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  酒井 克彦
1.脳卒中、感染症、周産期を説明する。
2.脳卒中、感染症、周産期と口腔との関連を列挙し説明する。
3.脳卒中、感染症を有する患者、周産期の患者を安全に歯科治療を行う上で、注意すべきことを列挙し説明できる。 
全身疾患と口腔内科5
脳卒中、感染症、周産期
8 6/13 4 E-2-4)-(4)-1
口腔粘膜疾患の種類と特徴を説明できる。
E-2-4)-(4)-2
水疱、紅斑、びらん、潰瘍、白斑、色素沈着等を主徴とする口腔粘膜疾患の症状と治療法を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.口腔に発生する粘膜疾患を列挙し説明できる。
2.全身疾患から発症する口腔粘膜疾患の病態を説明できる。
3.色素沈着を主症状とする疾患の診断法について説明できる。
4.色素沈着を主症状とする疾患の治療法について説明できる。 
皮膚および口腔粘膜疾患1
口腔粘膜疾患総論、色素沈着を主症状とする疾患
9 6/13 5 E-2-4)-(4)-1
口腔粘膜疾患の種類と特徴を説明できる。
E-2-4)-(4)-2
水疱、紅斑、びらん、潰瘍、白斑、色素沈着等を主徴とする口腔粘膜疾患の症状と治療法を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.白斑を主症状とする疾患について列挙し特徴を説明できる。
2.紅斑、びらんを主症状とする疾患について列挙し特徴を説明できる。
3.前癌病変、前癌病態について説明できる。
4.薬物アレルギーによる粘膜の病態について説明できる。 
皮膚および口腔粘膜疾患2
白斑、紅斑、びらんを主症状とする疾患
10 6/20 4 E-5-1)
高齢者の歯科治療
 
講義  新館・第2講義室  平野 浩彦
1.超高齢社会における要介護者の社会的問題を説明できる。
2.超高齢社会における歯科治療上の問題点を列挙できる。
2.高齢者の生理学的特徴を説明できる。
3.要介護者の歯科治療における注意点を列挙できる。
4.認知症患者の歯科治療における注意点を列挙できる。 
高齢者歯科
要介護と原因疾患、高齢者の口腔管理、栄養管理
11 6/20 5 E-5-3)-1
心身相関を説明できる。
E-5-3)-4
舌痛症を説明できる。
E-2-4)-(11)-6
睡眠時無呼吸の原因、診察、検査、診断及び治療方針を概説できる。
 
講義  新館・第2講義室  佐藤 一道
1.口腔心身症について説明できる。
2.睡眠の重要性について説明できる。
3.閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断と治療について説明できる。 
口腔心身症、睡眠時無呼吸症候群
12 7/18 4 E-2-4)-(11)-5
口腔乾燥の原因、診察、検査、診断及び治療方針を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  齋藤 一郎
1.口腔乾燥症の病態について説明できる。
2.口腔乾燥症の検査・診断方法を列挙し説明できる。
3.全身的疾患と口腔乾燥(唾液腺疾患)の関係について説明できる。
4.Sjögren 症候群の病態、診断および治療法について説明できる。
 
口腔乾燥症、Sjögren 症候群
13 7/18 5 E-2-4)-(4)-1
口腔粘膜疾患の種類と特徴を説明できる。
E-2-4)-(4)-2
水疱、紅斑、びらん、潰瘍、白斑、色素沈着等を主徴とする口腔粘膜疾患の症状と治療法を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  野村 武史
1.水疱を主症状とする疾患について列挙し特徴を説明できる。
2.潰瘍を主症状とする疾患について列挙し特徴を説明できる。
3.口唇、舌、頬に発生する粘膜疾患ついて列挙し特徴を説明できる。
4.口腔癌と他の粘膜疾患との鑑別点を説明できる。 
皮膚および口腔粘膜疾患3
水疱、潰瘍を主症状する疾患、口唇、舌、頬に発生する疾患
14 9/5 4 E-6
医師と連携するために必要な医学的知識
 
実習  新館・第3実習講義室  野村 武史
佐藤 一道
澁井 武夫
酒井 克彦
河地 誉
斎藤 寛一
吉田 佳史
1.積極的に討議に参加し、問題点を抽出し、討論できる。
2.他の参加者と協調しながら議論を展開できる。
3.問題解決に向けて必要な資料を準備し、適確な診断、治療方法を理解できる。 
口腔と全身との関わり合いを考える
与えられたテーマに対する問題解決型学習

*1グループ8-10名で与えられたテーマの問題点を具体的に抽出し、問題解決型討議を進める。

15 9/5 5 E-6
医師と連携するために必要な医学的知識
 
実習  新館・第3実習講義室  野村 武史
佐藤 一道
澁井 武夫
酒井 克彦
河地 誉
斎藤 寛一
吉田 佳史
1.積極的に討議に参加し、問題点を抽出し、討論できる。
2.他の参加者と協調しながら議論を展開できる。
3.問題解決に向けて必要な資料を準備し、適確な診断、治療方法を理解できる。 
口腔と全身との関わり合いを考える
与えられたテーマに対する問題解決型学習

*1グループ8-10名で与えられたテーマの問題点を具体的に抽出し、問題解決型討議を進める。

↑科目ページのtopに戻る