第 4 学 年  法歯学
前 期 計 画 表

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教科の特徴
 法歯学は歯科医学の知識を応用し、裁判上必要な歯科領域の証拠を検査し、正当な評価することを最終目的とした、社会系歯科医学の一部門である。法歯学の対象には生体、死体、物体、現場、書類があるが、実際の検査においては、解剖学や歯科材料学などの基礎的知識に加え、歯科治療やエックス線、歯科診療記録などの内容の理解も極めて重要である。そのため、基礎的な知識の復習と、今後臨床教育において学ぶ内容を同時に習得していく必要がある。  法律上の問題を扱う科学的分野を法科学(Forensic sciences)と呼ぶが、なかでも法医学は、遺体の検屍・検案、解剖を通して死因や死亡機序を明らかにすることを主な目的としている。一方、法歯学や法人類学は、犯人や被害者が誰であるかということに主眼を置いて、歯科的特徴や解剖学的特徴を用い、個人識別を行うことが主たる活動分野である。その他の活動分野としては歯による損傷、すなわち、咬傷や、歯科領域の損傷の作用機序などの鑑定があげられる。  鑑定の結果は、場合によっては人の人生を左右する重要な証拠となる。従って、鑑定人はそのことを十分に理解するとともに、証拠の捏造や嘘の証言は決して行ってはならない。法歯学者である前に、人間たれということである。  講義では、法歯学の個々の活動分野において理解しておかなければならない科学的知識に加え、日本人や外国人のものの考え方などにも触れ、また、医療事故の裁判事例も取扱って、医療人としての高い倫理観や人間性・協調性を身につけるだけでなく、積極的な自主学習態度と論理的思考および問題発見・解決のための基本的な能力を身につけた、将来国際的にも活躍できる歯科医師・歯科鑑定人を一人でも多く東京歯科大学から輩出できるようにしたいと考えている。

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
歯科学が法的な問題となる社会的事案において如何に役立つかを理解するとともに、そのために将来臨床医何ができるかを考え、その上で安全で安心な社会の確立に貢献できる歯科医師を育てる。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
1) 法歯学の活動分野に関わる法的な立場を説明できる。 2) 事件や災害の際の歯科的個人識別の手順を説明できる。 3) 人種や年齢、性別などの個人識別のための情報の推定方法が説明できる。 4)血液から得られる個人識別情報と、それらの検査方法並びにその評価方法を説明できる。 5)親子鑑定の方法を説明できる。 6)咬傷を含む損傷の種類と、その特徴から推察可能な成傷器、成傷状況などの情報を説明できる。 7)生と死、そして死体現象の法医学的意義を説明できる。 8)DNA多型の種類、およびDNA多型による検査法、並びにそこから得られる情報を説明できる。 9)歯科領域の損傷の発生機序を説明できる。 10) 頭顔面部の形態的特徴を用いた個人識別を方法が説明できる。

3.方略(LS:Learning Strategy)
講義 講義実習 ビデオ

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
定期試験 授業態度(質問に対する受け答え) 歯科的個人識別講義実習で作成するデンタルチャート:全体の傾向を分析し、主だったミス等を後の講義でフィードバックを行う。

事前・事後学修
前回に終了した講義について、授業内容を終了後一度は確認すること。

教科書
なし

参考図書
福島弘文編:法医学、南山堂 佐藤喜宣編:臨床法医学テキスト、中外医薬

オフィスアワー
月〜金 午後4:00〜6:00 (本館10階:法歯学・法人類学講座)

総授業コマ数
13コマ

出席について

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 橋本 正次 教授, 中村 安孝 講師*, 石川 昂 講師*
 笠原 典夫 助教*, 黒田 直人 非常勤講師*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 5/7 5 A-3-5
* 歯科医師の法的義務を列挙できる。
A-5-2)-4
* 医療過誤に関連して歯科医師に科せられた社会的責任と罰則規定(行政処分、民事責任、刑事責任、司法解剖)の基本的事項を説明できる。
B-2-1)-1
* 歯科医師法を概説できる。
B-2-1)-2
* 医療法を概説できる。
B-2-1)-3
* 歯科衛生士法と歯科技工士法を概説できる。
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
1)法歯学の概要、鑑定の際の注意および鑑定書の書き方を説明できる。
2)刑法、刑事訴訟法、死体解剖保存法、医師法、歯科医師法等において、法歯学に関連する法規を説明できる。
3)歯科医の治療契約、契約に伴う義務および医療過誤について説明できる。 
1.法歯学総論
  1)法歯学の歴史と定義、対象及び鑑定
    (1)定義
    (2)法歯学の対象
    (3)鑑定および鑑定書
    (4)鑑定書の書き方
  2)歯科医と法律
    (1)歯科医と法歯学
    (2)法歯学関係法規
    (3)歯科治療と医療過誤

2 5/14 5 A-5-2)-4
* 医療過誤に関連して歯科医師に科せられた社会的責任と罰則規定(行政処分、民事責任、刑事責任、司法解剖)の基本的事項を説明できる。
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
法医学の歴史、法医学の実際から法医学の社会的立場を理解する。  
6 社会における法医学の役割
 1)死体解剖と死因究明制度
3 5/21 5 C-2-1)-1
* 身体の部位を解剖学的に区別できる。
C-2-3)-(1)-6
* 内軟骨性骨化と膜内骨化の機序と成長様式を説明できる。 D-C-2-3)-(2)-1 * 生体を構成する主な骨と筋を列挙できる。
C-2-3)-(2)-2
* 骨の基本構造と結合様式を説明できる。
C-2-4)-1
* 人体諸器官の形態と機能の成長、発育および加齢に伴う変化を説明できる。
E-2-1)-1
* 頭蓋骨の構成と構造を説明できる。
E-2-3)-3
* 口唇・口腔・頭蓋・顎顔面領域の成長・発育および加齢による変化を説明できる。【歯の喪失に伴う変化を含む。】
E-3-1)-1
* 歯の発生、発育および交換の過程を説明できる。【構成成分とその変化を含む。】
E-3-1)-2
* 歯種別の形態と特徴を説明できる。
E-3-2)-2
* 歯の発育障害と加齢変化の病因と病態を説明できる。
E-4-3)-2
* 老化に伴う口腔諸組織の構造と機能の変化を説明できる。
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1) 全身および顎顔面領域から個人識別に有効な情報、すなわち人種や年齢、性別などを推定する際の検査部位や検査項目、推定基準を説明できる。 
3 歯科的検査 その1
   1)人種(民族)
   2)年齢
   3)性別
4 5/28 5 B-2-3)-1
* 個人識別について説明できる。
B-2-3)-2
* 歯科による個人識別について説明できる。
C-2-2)-1
* 個体発生と器官発生を概説できる。
C-2-3)-(10)-1
男性生殖器、女性生殖器の構造と機能を説明できる。
C-2-4)-1
* 人体諸器官の形態と機能の成長、発育および加齢に伴う変化を説明できる。
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1) 全身および顎顔面領域から個人識別に有効な情報、すなわち血液型、習癖・習慣、経済状況、出身地、顔面特徴などを推定する際の検査部位や検査項目、推定基準を説明できる。 
3 歯科的検査 その2
  4)血液型
  5)習慣・習癖
  6)経済状態
  7)出身地
  8)顔面特徴
  9)その他
5 6/4 5 B-2-3)-1
* 個人識別について説明できる。
B-2-3)-2
* 歯科による個人識別について説明できる。
 
講義  新館・第1講義室  中村 安孝
1)個人識別におけるDNAの役割について説明できる。
 
5 DNAと個人識別
    (1)DNAの型と集団における出現頻度
    (2)DNAの遺伝様式
    (3)DNA鑑定
6 6/11 5 C-1-2)-1
* 遺伝子(染色体)の構造とセントラルドグマを説明できる。
C-1-2)-2
* DNA 複製と修復の機序を説明できる。
C-1-2)-3
* 転写と転写調節の機序を説明できる。
C-1-3)-1
* 細胞膜、核および細胞内小器官の構造と機能を説明できる。
C-1-3)-3
* 細胞周期と細胞分裂を説明できる。
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)民法上の親子鑑定に関する法律を説明できる。
2)血液型を用いた親子鑑定を説明できる。
3)DNA型を用いた親子鑑定を説明できる。
4)人類学的特徴を用いた親子鑑定を説明できる。 
5)産科的特徴を用いた親子鑑定を説明できる。 
4 親子鑑定
  1)親子鑑定に係る法律
  2)親子鑑定の方法
    (1)遺伝形質による方法
    (2)人類学的特徴による方法
    (3)産科学的な方法
7 6/18 5 E-3-3)-(2)-2
* 根管充填の目的、時期および方法を説明できる。
E-3-3)-(1)-7
* 修復材料と修復法の適応を説明できる。
E-3-3)-(1)-13
* う蝕およびその他の硬組織疾患の診察、検査および診断ができる。
E-3-4)-(1)-2
* クラウンおよびブリッジの種類、特徴および製作法を説明できる。【ポンティックの選択を含む。】
E-3-4)-(2)-2
* 可撤性義歯の種類、目的および意義を説明できる。
 
講義
講義実習 
新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)歯科個人識別の手順を理解する。
2)歯の状態及びその状態の歯科記録用紙への記載方法を理解する。 
2.法歯学各論 その1
 1)歯科的個人識別
    (1)身元確認方法
    (2)歯科的証拠の重要性
    (3)歯科記録の記載法
     1 歯の状態と歯科記録用紙への記載方法
(4)歯科的個人識別の手順
      a.死後記録の作製法 
      b.生前記録の種類とまとめ
       c.歯科記録の比較識別
8 7/2 5   講義
 
新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)国内外の法歯学・法人類学事例を通して、共通する個人識別の方法を理解する。
2)日本と外国の法歯学事情の違いを説明できる。
3)死や死体に対する日本人の文化を説明できる。
 
12 法歯学・法人類学事例
 1)国内外の法歯学の実情
 2)国内外の大規模災害と個人識別の実際
 3)死や死体に対する日本人の考え方    
  

9 7/9 5 C-2-4)-1
* 人体諸器官の形態と機能の成長、発育および加齢に伴う変化を説明できる。
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)頭蓋骨からの形態的個人識別方法を説明できる。
2)顔写真からの形態的個人識別方法を説明できる。  
10 画像を用いた鑑定
    (1)頭蓋骨からの形態的個人識別方法
      a.頭蓋骨と顔写真のスーパーインポーズ法
      b.歯の見える写真と頭蓋骨との比較
      c.復顔法
    (2)顔写真の比較
      a.成長、加齢と顔の変化 b.顔の個人差
      c.写真と顔貌
   
10 7/16 5   講義
実習講義 
新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)生前と死後の歯科的所見の比較照合による個人識別の手順並びにその注意点を理解する。 
2.法歯学各論 その2
 1)歯科的個人識別
    
    (5)歯科的個人識別の実際
11 7/30 5 B-2-2)-11
* 災害時の歯科医療の必要性について説明できる。
B-2-2)-11
* 災害時の歯科医療の必要性について説明できる。
B-2-3) 歯科による個人識別
B-2-3)-1
* 個人識別について説明できる。
B-2-3)-2
* 歯科による個人識別について説明できる
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)大規模災害における個人識別の注意点を説明できる。
2)大規模災害犠牲者の歯科的個人識別の手順を説明できる。
3)大規模災害における歯科医師の役割を説明できる。
 
11 大規模災害と歯科医
 1)犠牲者の身元確認における歯科医師の役割
 2)被災者の歯科医療における歯科医師の役割

12 8/6 5   実習講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)歯科的個人識別結果の報告書が作成できる。
2)裁判における証言について、法律やその証言方法を説明できる。 
2.法歯学各論 その3
1)歯科医と裁判
13 9/3 5 C-2-3)-(1)-3
* 腺を分泌物の性状、形態および分泌機構に基づいて分類できる。
C-2-3)-(2)-2
* 骨の基本構造と結合様式を説明できる。
C-2-3)-(11)-4
* 止血と血液凝固の機序を説明できる。【線溶系を含む。】
E-2-2)-4
* 唾液の性状と役割を説明できる。【構成成分とその機能を含む。】
 
講義  新館・第1講義室  橋本 正次
中村 安孝
石川 昂
笠原 典夫
1)生物学的資料に由来するものから個人識別情報を得るまでの手順を説明できる。
2)ヒトの体に由来する生物学的資料の証明法を説明できる。
3)生物学的資料からの血液型検査法を説明できる。 
7 物体検査
    (1)物体検査の対象
    (2)血痕検査
      a.形態的検査・出血部位の推定・血痕の陳旧度
      b.血痕検査の手順
    (3)精液検査
    (4)毛髪検査
    (5)唾液斑の検査
    (6)骨の検査
    (6)歯牙の検査

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