第 4 学 年  隣接医学Ⅱ(産婦人科学)
前 期 計 画 表

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教科の特徴
生殖という生命の営みは自らの遺伝情報を次の世代に伝えていくことによりその種を保存するという本能の営みであり、地球上に出現した総ての生命に課せられた使命である。産婦人科は生殖に関連する事項を中心として基本的に女性を診療する科であることはいうまでもないが、その守備範囲は広がりつつある。婦人科学は女性の性機能系の生理と病理を対象とした臨床医学であり、産科学は妊娠・分娩に関連した分野を取り扱う臨床医学であるといわれてきたが、現在の産婦人科は産科・婦人科という単純な区別が難しく、周産期医学、生殖医学、婦人科腫瘍学、更年期医学などさまざまな専門分野を包括した「女性診療科」としての側面が強くなりつつあり、女性の一生に関わるいわば「ライフパートナー」と呼べる科となっている。
女性は幼年期から性成熟期を経て老年期に至る各年代において特有の身体的・精神的特徴を有している。歯科診療においてもこれら女性に特有な生理・病態を考慮しなければいけない場面に遭遇することは少なくないと考えられる。例えば性成熟期の女性の診療に際しては、常に妊娠の可能性、すなわち次の世代への影響を念頭に置かなければならないし、他の年代でもホルモン環境に影響された特徴を有しており、常に配慮が必要であるといえる。
また、近年、歯科・口腔外科領域の疾患と産婦人科疾患とが関連していることが明らかになってきており、両科のコラボレーションは重要性を増している。
そこで本講義では、性周期、妊娠・分娩などの女性に特有の生理・病理とそれに関連した異常のみならず、東京歯科大学ではわが国における生殖補助医療(ART:Assisted Reproductive Technology) の黎明期からこの分野をリードしてきたという歴史もあり、卵子の発育、受精、胚および胎児の発育という基本的事項から婦人科腫瘍、更年期障害にいたるまで産婦人科一般について理解することを目標とする。本教科は他の基礎科目だけではなく臨床科目とも関連し、医学・歯科医学を統合的に理解して全人的な歯科医療を提供するために必要な基礎的な知識の根幹となるものである。本科目は、実務経験のある教員が担当している。(コンピテンシー 1、3、6、7、8(4))

ナンバリング
C2604-4A

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
妊娠あるいは妊娠の可能性のある婦人に対して安全で快適な歯科医療を行うために必要な女性生殖器の解剖と生理について理解するとともに、生殖生理と妊娠・分娩の基本的な事項、ならびに婦人科領域の主要な疾患と病態についての知識を習得する。

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
1)女性生殖器の解剖と生理に精通する(10%)
2)性周期、卵子の発育から妊娠の成立過程を理解する(10%)
3)妊娠経過、正常分娩について理解する(20%)
4)異常妊娠・分娩についての知識を有する(10%)
5)婦人科良性疾患や婦人科悪性腫瘍について理解する(20%)
6)性差医学、女性医学について理解する(15%)
7)産婦人科領域における歯科・口腔外科に関連したトピックスに関する知識を有する(15%)

3.方略(LS:Learning Strategy)
講義において基礎的事項を系統的に講義し、ポイントについてディスカッションする

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
定期試験(総括的評価)100%
前期講義終了後、総括的評価として講義内容の理解度を空欄補充、真偽選択、多肢選択、論述などの記述試験で評価する。

事前・事後学修
事前に女性生殖器の解剖と女性の各ライフステージにおけるホルモン変化に関する基本的事項を理解し、各回の授業内容項目について教科書の該当部分を読んでおくこと。

【e-Learning】

教科書
岡井崇、綾部琢哉 編:標準産科婦人科学(第4版)、医学書院

参考図書
上妻志郎、武谷雄二 監修:プリンシプル産科婦人科学(第3版)メジカルビュー社
安田峯生、山田重人 訳:ラングマン人体発生学 第11版、メディカルサイエンスインターナショナル

オフィスアワー
授業終了後次の授業が始まるまで講義室内で

総授業コマ数
4コマ

出席について
大学規定に従う

   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 橋本 志歩 講師*, 柏崎 奏絵 助教*, 内田 浩 教授*
 飯島 茂異人 助教

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 4/22 5 C-3-1)-①
身体の区分及び方向用語を用いた運動方向と位置関係を説明できる。
C-3-2)-①
人体の正常な個体発生と器官発生を説明できる。
C-3-4)-(9)-①
内分泌器官・組織の構造と機能及びホルモンの種類、作用と異常を説明できる。
C-3-4)-(11)-①
男性生殖器と女性生殖器の構造と機能を説明できる。
C-4-1)-③
感染症の種類、予防、診断及び治療を説明できる。
C-4-2)-⑧
ワクチンの意義と種類、特徴及び副反応を説明できる。
C-5-1)-①
染色体、遺伝子及び発生の異常を説明できる。
C-5-6)-⑤
良性腫瘍と悪性腫瘍の異同を説明できる。
E-6-②
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
E-6-③
妊産婦の歯科医療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・8階 第2講義室
 
内田 浩
1)女性生殖器の解剖と生理に精通する
6)性差医学、女性医学について理解する
5)婦人科良性疾患や婦人科悪性腫瘍について理解する
7)産婦人科領域における歯科・口腔外科に関連したトピックスに関する知識を有する 
1.産婦人科学総論
  1)ホルモンを中心とした女性の一生
  2)女性生殖器系の発生と解剖
  3)女性生殖器系の生化学
  4)歯科・口腔外科領域に与える産婦人科領域疾患・病態の影響
2.月経異常とその対応
  1)月経周期の異常
  2)月経困難症
  3)月経前症候群
3.産婦人科領域の感染症
  1)真菌感染症
  2)細菌感染症
  3)ウイルス感染症
  4)性感染症
4.婦人科良性疾患
  1)骨盤臓器脱
  2)子宮筋腫
  3)子宮内膜症・子宮腺筋症
【e-Learning】
2 6/10 5 C-3-4)-(9)-①
内分泌器官・組織の構造と機能及びホルモンの種類、作用と異常を説明できる。
C-3-4)-(11)-①
男性生殖器と女性生殖器の構造と機能を説明できる。
E-6-③
妊産婦の歯科医療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・8階 第2講義室
 
橋本 志歩
1)女性生殖器の解剖と生理に精通する
2)性周期、卵子の発育から妊娠の成立過程を理解する 
1.生殖生理学総論
  1)生殖生理Ⅰ(月経周期)
    (1)視床下部-下垂体-卵巣-子宮系の変化
  2)生殖生理Ⅱ(妊娠の成立)
    (1)卵子発生
    (2)精子発生
    (3)受精
    (4)着床
2.不妊症
  1)女性不妊
  2)男性不妊
3.家族計画と避妊
【e-Learning】
3 6/24 5 C-3-2)-①
人体の正常な個体発生と器官発生を説明できる。
E-1-2)-②
放射線の人体(胎児を含む)への影響の特徴(急性影響と晩発影響等)を説明できる。
E-1-2)-③
放射線防護の基準と方法を説明できる。
E-1-4)-(1)-⑥
患者(小児、妊産婦、高齢者を含む)の全身状態の評価を説明できる。
E-6-②
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
E-6-③
妊産婦の歯科医療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・8階 第2講義室
 
柏崎 奏絵
3)妊娠経過、正常分娩について理解する
4)異常妊娠・分娩についての知識を有する
7)産婦人科領域における歯科・口腔外科に関連したトピックスに関する知識を有する 
1.正常妊娠と異常妊娠
  1)母体の変化とその異常(合併症を含む)
  2)初期発生と器官形成(先天奇形を含む)
3)胎児の成長
2.正常分娩と正常産褥
  1)分娩の3要素
  2)正常分娩
  3)産褥
3.異常分娩と異常産褥
  1)母体の異常(出血を含む)
4.妊娠・授乳中の薬物療法
  1)薬剤の妊婦・胎児への影響
5.妊娠・授乳中の麻酔、X線、手術など
【e-Learning】
4 7/1 5 C-4-2)-⑧
ワクチンの意義と種類、特徴及び副反応を説明できる。
C-5-6)-⑤
良性腫瘍と悪性腫瘍の異同を説明できる。
E-6-②
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・8階 第2講義室
 
飯島 茂異人
5)婦人科良性疾患や婦人科悪性腫瘍について理解する 
婦人科悪性腫瘍
  1)外陰・腟の腫瘍
  2)子宮の腫瘍
  3)卵巣の腫瘍
  4)卵管の腫瘍
  5)絨毛性腫瘍
  6)転移性腫瘍
  7)その他(類腫瘍)
【e-Learning】

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