第 4 学 年  隣接医学Ⅱ(皮膚科学・形成外科学)
前 期 計 画 表

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教科の特徴
皮膚科学:
 皮膚科学は、正常皮膚および皮膚疾患に関する科学である。皮膚科学で取り扱う疾病の殆どは皮表に変化を生じ、眼でその変化を観察できる。また、全身疾患の部分症状となっているものも多く、実地医療に活用することで、スムーズで的確な診断が行われることが期待される。さらに、口腔粘膜疾患を生じる皮膚疾患や歯性病巣や金属アレルギーによる皮膚疾患があることなどより、歯科医学との関連において皮膚科学を修得することは、極めて有用である。
形成外科学:
 形成外科学は、主として外表の形態にかかわる先天性異常、熱傷・外傷や悪性腫瘍等に対する手術的侵襲に起因する組織の欠損、形態の損傷に対して、それらを外科的手段で形態的、機能的に回復、復元をはかり患者の心身両面での社会復帰を支援する学問である。また広い意味では美容外科も形成外科に含まれる。形成外科では外科系全科と皮膚科学、精神心理学などの広範な臨床的知識と創傷治癒、組織移植、再生医学などの基礎的知識が必要とされるが、歯科・口腔外科診療を行なうにあたっても関連の深い、基本となる項目である。
これら皮膚科学および形成外科の講義は医学・歯科医学を統合的に理解して全人的な歯科医療を提供するために必要な基本的知識と技能の習得のために必須である。本科目は、実務経験のある教員が担当している。(コンピテンシー5,6,7,8-4))

ナンバリング
C2606-4A

1.一般目標(GIO:General Instructional Objective)
皮膚科学:
 皮膚疾患の本質を理解し、歯科医にとって重要な皮膚粘膜疾患についての知識を深めるために正常皮膚と口腔粘膜の構造と機能を対比する。さらに発疹記載学、皮膚科固有の検査法と治療法などの基礎的事項を学習し、日常遭遇することの多い皮膚疾患と歯科領域に関連の深い皮膚粘膜疾患を中心に、病因、病態生理、臨床所見、治療法を理解する。
形成外科学:
 形成外科の臨床科としての位置づけと役割、その実際、将来的方向性を学習する。講義においては、形成外科の概念と基本的事項を学び、臨床実習においては、その実際、特殊性を学び形成外科学を修得する。特に歯科・口腔外科診療を行なうにあたって関連の深い、再建外科手技(植皮術・皮弁形成術・マイクロサージェリー)、頭頸部癌再建、顔面神経麻痺などにつき修得する

2.行動目標(SBOs:Specific Behavioral Objectives)
皮膚科学:
1)正常皮膚の構造と機能を理解する。
2)皮膚粘膜疾患の皮疹の記載方法を習得する。
3)皮膚粘膜疾患における皮膚科独特の検査法および治療法について理解する。
4)日常良く遭遇する皮膚疾患を理解する。
5)歯科領域と関連の深い皮膚粘膜疾患について理解する。
形成外科学:
1)形成外科学の概念を理解する。
2)形成外科の対象疾患を理解する。
3)形成外科の治療法を理解する。
 

3.方略(LS:Learning Strategy)
皮膚科学:
1)講義でスライドおよびプリントを使って基礎的事項を説明し、できるだけ多くの皮疹や検査法・治療法を見て理解を深める。教科書で一部を補充して説明する。
形成外科学:
1)文字スライドやプリントにより基本的事項を説明する。2)多くの症例写真スライドを供覧して、基本的事項の理解を深める。

4.評価(Evaluation)(形成的評価・総括的評価)
皮膚科学:
1)定期試験(総括的評価):100%
  講義内容の理解度を多肢選択試験で評価する。
形成外科学:
1)定期試験(総括的評価):100%
  講義内容の理解度を多肢選択試験などで評価する。

事前・事後学修
各回の授業内容項目について、教科書や参考書の該当部分を読んでおくこと(1時間程度)。

【e-Learning】

教科書
皮膚科学:清水 宏 著、あたらしい皮膚科学 第3版、中山書店
形成外科学:秦 維郎・野崎幹弘 編、標準形成外科学 第5版、医学書院

参考図書
皮膚科学:山根源之, 草間幹夫, 久保田英朗, 北川善政, 里村一人, 片倉 朗 (編集):口腔内科学 永末書店
皮膚科学:西田次郎、小島孝雄、大久保 直:歯科のための内科学
改訂第4版 南江堂
形成外科学:中島龍夫 編、よくわかる子どものための形成外科、永井書店

オフィスアワー
授業終了後、講義の行なわれた教室において,次の授業が始まるまで講義室内で

総授業コマ数
4コマ

出席について
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   担当者  『 * 』は実務経験教員を示す
 石井 健 教授*, 河野 通良 准教授*, 佐久間 恒 講師*

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月日 時限 コア・カリキュラム 方略(LS)場所 担当者
(その他の)SBOs
内容項目
1 6/22 4 C-3-4)-(1)-2皮膚感覚器の構造と機能を説明できる。
E-1-1)-(4)-1皮疹の記載法を説明できる。
E-2-4)-(5)-2水疱、紅斑、びらん、潰瘍、白斑、色素沈着等を主徴とする主な粘膜疾患を概説できる。療法を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  石井 健
1)正常皮膚の構造と機能を対比して理解する。 2)皮疹の記載法について学習する 3)皮膚科の主な検査法、治療法を理解する  
1.皮膚および口腔粘膜の診療に必要な基礎的知識・概念 1)正常皮膚の構造と機能 2)皮疹の記載法、 3)皮膚疾患の診断に必要な検査法 4)皮膚疾患の主な治療法
【e-Learning】
2 6/22 5 C-6-4)-①
薬物の一般的副作用と有害事象を説明できる。
E-2-4)-(6)-②
口腔・顎顔面領域に発生する良性腫瘍の一般的な症状、診断法(細胞診、組織診、画像診断)及び治療法を
説明できる。
C-4-1)-③
感染症の種類、予防、診断及び治療を説明できる。
E-2-4)-(6)-③
口腔・顎顔面領域の悪性腫瘍の一般的な症状、診断法(細胞診、組織診、画像診断)及び治療法を説明でき
る。
E-2-4)-(6)-⑤
前癌病変の特徴、症状及び治療法を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室
 
河野 通良
薬疹・中毒疹について理解し、その対処法を知る
皮膚に症状(特に顔面)を呈する母斑・母斑症や皮膚良性腫瘍、皮膚悪性腫瘍について理解する。
皮膚科領域における主要な感染症、性行為感染症について理解する
 
皮膚科学各論(2)
 1)薬疹・中毒疹
 1)母斑・母斑症
 2)皮膚良性腫瘍・皮膚悪性腫瘍
 3)細菌性皮膚疾患
 4)ウイルス性疾患
 5)皮膚真菌症
 6)性行為感染症
【e-Learning】
3 7/13 5 C-4-2)-⑤
アレルギー性疾患の種類、発症機序及び病態を説明できる。
C-4-2)-⑥
免疫不全症・自己免疫疾患の種類、発症機序及び病態を説明できる。
E-6-②
医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる。
 
講義  新館・第2講義室  石井 健
1)日常良く遭遇する皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、紅斑症、紫斑を形成する疾患)を理解し、その対処法を知る。
2)歯科領域と関連の深い自己免疫水疱症、ベーチェット病、乾癬・掌蹠膿疱症、扁平苔癬を理解し、その対処法を知る。
 
2.皮膚科学各論(1)
 1)湿疹・皮膚炎
 2)蕁麻疹・紅斑症
 3)紫斑をきたす疾患
 4)自己免疫性水疱症
 5)ベーチェット病
 6)角化症(乾癬・掌蹠膿疱症、扁平苔癬)


【e-Learning】
4 7/20 4 D-4-3)-1 虚血、充血およびうっ血の徴候、原因および転帰を説明できる。
F-1-4)-2 小手術の偶発症と合併症を説明できる。
E-2-4)-(5)-13 口唇・口腔領域の悪性腫瘍の種類、症状および治療法を説明できる。
E-2-4)-(8)-3 顔面神経麻痺の原因、症状および治療法を説明できる
 
講義  新館・第2講義室  佐久間 恒
1)形成外科学の概念を理解する。
2)形成外科の対象疾患を理解する。
3)形成外科の治療法を理解する

 
1.形成外科学総論
形成外科学の概念・対象疾患・治療法の概略
2.形成外科学各論
(1)植皮術・皮弁形成術: 植皮の種類・特徴・治癒過程、皮弁の概念・分類・血行形態、植皮および皮弁の適応、微小血管吻合による遊離皮弁の方法や術後管理
(2)頭頸部癌の再建外科:再建方法、再建に使用する皮弁の選択
(5)顔面神経麻痺:顔面神経の解剖、麻痺の原因や症状、外科治療(神経再建、静的再建、動的再建)

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